2008 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療効果増強のための新たな分子標的の探索とその機構解明
Project/Area Number |
17016073
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三橋 紀夫 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 教授 (20008585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 哲夫 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (10261851)
前林 勝也 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60332350)
泉 佐知子 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50292602)
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Keywords | 放射線感受性 / 分子標的 / シグナル伝達 / 放射線増感 / HER family |
Research Abstract |
1. HER familyの放射線照射による自己リン酸化と2量体形成の機序 照射によってHER familyが自己リン酸化し、細胞生存シグナルが下流に伝えられ、放射線や抗がん剤に対して抵抗性になることが知られているが、なぜHER famyがリガンドと同様に受容体を活性化させるのかについてはいまだ明らかとなっていない。そこで、HER familyの照射による自己リン酸化と2量体形成の機序について検討し次の結論を得た。1)照射によりEGFRのhomodimerの形成だけでなく、EGFRとHER2のheterodimerの形成も認められた。2)C225の併用により照射によるEGFRの自己リン酸化ならびに下流のシグナル伝達が抑制された。3)C225の併用により照射によるEGFRのhomodimer形成が抑制された。4)C225の併用では、照射によるEGFRとHER2のheterodimer形成に対する抑制効果は、EGFRのhomodimer形成に対する抑制効果ほどはっきりとは認められなかった。 2.頭頸部癌における細胞接着因子Cadherin(CAD)およびDysadherin(DAD)の発現と放射線治療成績との相関 局所効果とDADの発現強度との相関を検討すると、DAD発現が弱いGrade O-1症例ではCRが70%であったのに対して、発現が強度なGrade2症例ではCRは38%と、DADが強発現している症例で照射効果が有意に不良であった(p<0.05)。また、CAD発現とDAD発現はそれぞれ単独では、生存率や再発形式との間に相関は認められなかったが、DADの発現のGradeからCADの発現のGradeを引いた値が1以上の症例(DAD発現がCAD発現より相対的に高い症例)ではリンパ節または遠隔再発の頻度が有意に高かった(55%vs.22% : p<0.05)。
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