2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016075
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
河野 公俊 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 教授 (00153479)
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Keywords | DNA損傷 / 遺伝子発現制御 / Twist / STAT3 / Ets / HMGB1 / Tip60 / シスプラチン |
Research Abstract |
損傷DNAを認識するリンカーヒストンH1と会合する分子群としてDNA-PK、Nucleolin、hnRNPK、PARP1、YB-1等を同定した。このH1会合複合体がp53依存性の転写を抑制することも見出した。シスプラチン耐性細胞で高発現しているYB-1はDNA修復に関与するが、損傷DNAを認識するだけでなく、酸化損傷DNAの修復にも関与することを明らかにした。DNAグリコシダーゼと会合し、DNA修復を増強することを示した。シスプラチン耐性細胞で高発現している転写因子として新たにTwistを見出した。さらに、YB-1の発現制御は転写因子Twistによることを明らかにした。またTwistによるがん細胞増殖がYB-1の発現を介していること、すなわち、増殖に関わるTwistの主たる標的がYB-1であることも示した。シスプラチン耐性細胞で高発現している転写因子として以前報告したSTAT3が、HOXA1依存性の不死化乳腺細胞のかん性形質転換に関与することを見出した。さらにRAS依存性のがん性形質転換に関与することも見出した。前者は転写レベルで、後者は転写後レベルで関わっていた。損傷DNAを認識するHMGB1がEtsファミリー転写因子と会合し、標的遺伝子発現を活性化することを示した。シスプラチン耐性細胞で高発現している転写関連因子としてヒストンアセチル化酵素であるTip60が高発現していることを見出した。このTip60の発現は昨年報告した概日リズム転写因子Clockによることを証明した。ヒストンのアセチル化が周期的に起こることが報告されているが、そのアセチル化にClock/Tip60系が関わると推測された。Tip60の発現はDNAダメージを起こす薬剤の感受性に関わり、その機序としてゲノムサーベイランスに関わるERCC1等のDNA修復遺伝子の発現を制御している結果がでており、近々報告予定である。
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Research Products
(6 results)