2006 Fiscal Year Annual Research Report
EPR効果に基づく活性酸素生成型高分子薬の固型癌ターゲティング療法
Project/Area Number |
17016076
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
前田 浩 崇城大学, 薬学部, 教授 (90004613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
方 軍 崇城大学, 薬学部, 講師 (20412736)
中村 秀明 崇城大学, 薬学部, 助手 (30435151)
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Keywords | EPR-効果 / ミセル化製剤 / 高分子化製剤 / 腫瘍選択性 / オキシストレス誘導 / HO-1 / HSP-32 / D-アミノ酸酸化酵素 / SMA-ミセル化制癌剤 |
Research Abstract |
腫瘍選択性の強い新たな高分子制癌剤のモデル化合物(SMA-ミセル)のいくつかを合成し、それらのin vitro/in vivoの有用性、物理化学的性状を明らかにした。今回、ZnPPとPEG-5000の結合物は静脈注射としての粘度がやや高く実用化の観点から、さらにPEG-2000を用いたZnPPのミセル化物を作製した。これらSMA-ミセルのうち、SMA-THPおよびPEG-ZnPP、SMA-ZnPPの体内動態、腫瘍内、血中濃度の時間的推移を明らかにした。また、SMA-ZnPPの立体構造のエナジーミニマム計算を行い、その分子構造を推定した。次に、DMBAによる化学発癌のラット乳癌モデルでも両者とも薬効を示した。さらに、ZnPPがレーザー光以外のXenon光源の照射によっても一重項酵素を放出し、ヒト食道がんや大腸がんに対し、薬効が大幅に増強され、通常の内視鏡光源の光照射による臨床応用も考えられた。一方、ZnPPミセルのヒトCML培養細胞に対するIC_<50>をみたところ、5-10μMで、Glevec耐性のヒトCML株10株も同様のIC_<50>で高い感受性を示した。このとき、オンコジーンのABLおよびBCR、さらにHO-1活性は1/10以下に抑制した。このことからZnPPのもつ多面的な抗腫瘍メカニズムが考えられた。次に、ヒト型DAOをヒト腎細胞に誘導し、そのDAO-mRNAより、そのr-DNAを大腸菌にプラズミドベクター[pET3chDA06-16]を用い導入し、得られたリコンビナントE.coliを大量培養し、ヒト型DAOの精製を行った。正常細胞と腫瘍細胞を用いて、このPEG化DAOのIC_<50>をみたところ、癌細胞は正常細胞に対し、数倍感受性が高く、EPR効果による高い腫瘍毒性(集積性)と低い抗ROS活性とあわせ、極めて有望な制癌剤になる可能性が益々明らかになった。
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Research Products
(7 results)