2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016077
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
畠 清彦 (財)癌研究会, 癌化学療法センター臨床部, 部長 (80192699)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 薬剤反応性 / 共焦点顕微鏡 |
Research Abstract |
化学療法剤や分化誘導療法剤、抗体療法や新規分子標的薬剤における、がん細胞の耐性機構の基礎的研究を行い、耐性克服を可能とする薬剤の併用を明らかにし、臨床例での耐性克服を可能とする。多くのがん腫、医薬に共通した耐性機序を研究する。抗体医薬では、補体制御蛋白の発現による耐性機序やCD20というB細胞特異的抗原の点突然変異を見いだした。この変異と補体感受性との関係を検討しており、臨床例での検討も行っている.結果としてはCD20遺伝子の一部の領域に治療中に点変異が入り、抗原がCD20抗体に認識されなくなり、結合しなくなって、有効性が失われることがわかった。今年度は特に新たに見いだしたB細胞性リンパ腫におけるCD20抗原遺伝子の点突然変異をみるために、 N末端に特異的な抗体を作成し、これまでに汎用されているL26抗体との比較、耐性例での検討を免疫染色、細胞内CD20蛋白の分布など解析した。現在汎用されているL26抗体によるCD20抗原が発現していれば、抗体医薬は少なくとも結合することがわかった。発現していない例ではこれまでに使用していない抗がん剤により治療が可能であった。また白血病では、多くの点変異による imatinib抵抗性株細胞を入手又は樹立したので、克服する薬剤の検討を行う.現在STA73およびJAK2阻害剤による耐性克服を検討した。骨髄腫では新たに承認されたbortezomibに対する耐性株細胞を樹立して、HDACI, Proteasome inhibitor, NF-kB阻害剤を検討している。
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