2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016077
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
畠 清彦 Japanese Foundation For Cancer Research, 癌化学療法センター・臨床部, 部長 (80192699)
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 薬剤反応性 / 共焦点顕微鏡 |
Research Abstract |
抗体療法や新規異分子標的薬剤におけるがん細胞の耐性機構の基礎研究を行い、耐性克服を可能とする薬剤の併用を明らかにした。多くのがん腫、医薬に共通した耐性機序を研究した。抗体医薬では、耐性機序としてCD20というB細胞特異的抗原の点突然変異を見いだした。この変異と補体感受性との関係を臨床例で示した。現在注目されている抗体療法rituximab, trastuzumab, cetuximab,シグナル伝達阻害剤imatinibによる治療は耐性例も知られている。これに対しては多くの点変異によるimatinib抵抗性株細胞を入手または樹立したので、克服する薬剤の検討を行った。Dasatinib, nilotinibの効果を検討し、この新規薬剤抗体医薬に対する抵抗性を有するB細胞性リンパ腫株細胞の樹立により補体依存性殺細胞効果の耐性機序、慢性骨髄性白血病由来細胞株ではimatinib耐性株作成から細胞死の耐性機序を研究し、耐性克服をめざす。特にT315Iという点変異についてはあらゆる薬剤、特にHDACI(histone deacetylase inhibitor)などを含む新規薬剤との相互作用を検討している。bortezomib耐性株についても樹立したので、HDACI, Proteasome inhibitor, NF-kB阻害剤の効果を検討した。固形がんでの抹消循環血中腫瘍細胞circulating tumor cell(CTC)についても乳癌、大腸癌について標準治療でのデータを検討した。VEGF系の抗体医薬についてはCEC(循環血中内皮細胞)がバイオマーカーの可能性が見えた。新たな細胞死シグナルautophagy計についても研究した。今年度は抗体依存性殺細胞効果(ADCC)も検討し、B細胞性リンパ腫では測定し、大腸癌でもADCCの測定系を樹立していく。
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