2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17016089
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
高橋 利忠 愛知県がんセンター(研究所), 総長 (00124529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤塚 美樹 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫部, 室長 (70333391)
辻村 邦夫 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫部, 室長 (10227407)
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Keywords | 造血幹細胞移植 / 移植片対宿主病 / 抗白血病効果 / マイナー移植抗原 / 細胞障害性T細胞 / カテプシンH / 発現クローニング法 / 連鎖解析法 |
Research Abstract |
造血器腫瘍の養子免疫療法を行なう際、より多くの日本人患者をカバーしうるように種々のHLAアリルに拘束される血液系細胞特異的マイナー移植抗原(mHAg)をコードする遺伝子を同定することが本研究の目的である。 (1)HLA-A^*3303およびHLA-A^*3101拘束性の新規マイナー移植抗原、Cathepsin Hの同定:異なる急性骨髄性白血病患者の同種移植後末梢血より樹立したHLA-A33と-A31'拘束性の細胞傷害性T細胞(CTL)クローンを指標にして、15q25に位置する遺伝子にコードされる新たなmHAg、Cathepsin H(CTSH)を同定した。解析の結果、CTSHのバリアント1のみに存在するリーダー配列上の第1番目のアミノ酸多型部位にHLA-A^*3101およびA^*3303により提示される2個のエピトープが存在することが明らかとなった。定量PCRによると、CTSHはubiquitousに発現しており、免疫染色でも同様な発現を確認した。特に、単球系白血病では強く発現しており、細胞傷害性試験により白血病細胞を含む造血系細胞は傷害された。一方、腎正常上皮細胞や腎がん細胞はCTSHを強発現しているにも拘わらず、予想に反してCTLにより全く傷害を受けなかった。現段階では説明不可能であるが、造血系細胞だけが特異的にCTL傷害を受けることから、抗白血病効果(GVL)の標的として有望である可能性が示唆された。 (2)HLA-B^*4403拘東性の新規マイナー移植抗原の同定:新たに樹立されたHLA-B44拘束性のCTLクローンを指標にして、発現クローニングにより同定された遺伝子は機能不明のESTであり、並行して行った連鎖解析法により、本候補遺伝子は18q21にマッピングされた。標的mHAgの発現をコントロールするSNPの同定にも成功しており、現在、最小エピトープの同定を試みている。
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