2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17017007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森下 真一 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90292854)
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Keywords | バイオインフォマティクス / 表現型 / 画像処理 |
Research Abstract |
ショウジョウバエおよび出芽酵母の変異体画像解析については、結果的には順調に計画どおり進んだが、その途中ではいくつもの技術的問題点が発生した。ジョウジョウバエの翅の細胞数の計測で最も解決に時間を要したのが、透明な翅の裏側に生えている細毛が表から透けて見えてしまう問題であった。人間の専門家が見ても判定が困難な場合も多いのではないかという疑問もわいてきた。そこで翅の16個の異なるブロック(細胞数は100から1000個程度)で4人の専門家による計測を実施したところ、専門家の間でも最大20%程度の食い違いが生じることがわかった。一方我々が研究開発したソフトウエアは、どの例でも専門家の計測した幅の範囲内で細胞数を勘定することができた。したがってソフトウエアの精度はほぼ満足できるレベルに達したと考えている。 メダカをモデル生物として発展させるためのゲノム解読および解析は2006年度に終了し、2007年に関連論文をNature, Genome Research, Nucleic Acids Rearchに報告した。過去6億年にわたる脊椎動物ゲノム進化を分析し、染色体再編成の様子を初めて再現したという評価を幸いにも受けた。メダカゲノム解読を礎に、新型シークエンサによる5'endタグ収集と、転写開始点解析、塩基レベルの進化解析と表現型への影響を考察する段階へと進むことができた。
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