2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17017007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森下 真一 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90292854)
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Keywords | バイオインフォマティクス / 表現型 / 画像処理 |
Research Abstract |
ショウジョウバエの翅脈の解析については、微小な変化を正確に定量化する場合には問題は少なくなくなっており、90%前後の変異体の翅脈を判定できるようになった。一方難問として残った、翅脈の喪失、ノッチの認識等の顕著な変化を示す表現型を認識できるようにするため、新しい画像解析方法を考案した。詳しくは野生型翅脈モデルを変異体翅脈へ変形する際に、Hausdorff距離を最適化するアファイン変換を、幾何学的分岐限定方法を用いて高速に計算できるようにした(global matching)。さちに翅脈の交差点を微調整して正確に位置合わせするための技法(local matching)も合わせて考案した。その結果、ソフトウエアめロバストネスは各段に向上し、ほぼ完全自動化を達成できた。 一方、DNA配列の多様性は、生殖細胞系列における遺伝子の働きやクロマチン構造を反映しているのであろうか?という疑問に答えるため、2系統の1メダカのゲノム配列を比較し多様性を描出した。さらにHd-rR系統の胞胚からSolexaにより得た約3730万個のヌクレオソームコアのゲノム上の位置を同定し、6段階の胚形成期における代表的な転写開始点11, 654箇所周辺で分析した。その結果、転写開始点下流において、DNA変異率が約200塩基対(bp)の周期で変化し、この周期性はクロマチン構造と相関していた。これは、進化過程において、遺伝子の働き(転写)やクロマチン構造が、DNA配列の形成に寄与する可能性を例示している。
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Research Products
(11 results)