2005 Fiscal Year Annual Research Report
高精度のドッキング機能を有するタンパク質間相互作用予測システムの開発
Project/Area Number |
17017014
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 謙多郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80178970)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 周吾 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90272442)
寺田 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特任助教授 (40359641)
|
Keywords | 生体生命情報学 / 蛋白質 / プロテオーム / 分子間相互作用 / 構造予測 |
Research Abstract |
精度の高いタンパク質間相互作用部位予測と、ドッキングによる複合体構造予測の開発を行った。タンパク質間相互作用部位を予測については、SVMを用いた予測手法の開発を行い、とくに、学習パラメータ(コストパラメータとガウスカーネルのパラメータの2つ)を、クロスバリデーション法を利用し、AUCが最大になるよう最適化を行った。また、情報理論を用いたフィルタリングを新たに開発し、false positive予測を低減した。さらに、ウィンドウサイズと予測精度の関係を解析し、7残基のウィンドウが多くのタンパク質で最も良い精度を実現することを明らかにした。以上の工夫により、ニューラルネットワークを用いて行ったOfranらの結果より、高い予測精度を実現した。ドッキングによる複合体構造予測については、球面調和関数を用いて新規に設計した正規直交基底関数での級数展開による高速内積計算を使ったアルゴリズムを開発した。本手法のスコア関数の枠組みは非常に柔軟で、分子形状の相補性や各種ペアポテンシャル、静電相互作用などを表現することが可能である。また、本手法では、スカラー場を上記正規直交基底関数で展開することにより、スコア関数の計算に必要な内積計算を高速に行うとともに、配座空間の探索に必要な座標変換操作も高速に行えることを示した。本研究では、展開係数によるスカラー場の表現能力が、中心からの距離rの増加に従って大幅に劣化するという、従来の球面調和関数を基底関数とする方式の問題点を解決するため、rによる減衰のない、修正Legendre多項式を組み合わせた基底関数を用いた。現在、すでにいつかの複合体のデモリングを行い、例えば、1AKZ(223残基)と1UGI_A(84残基)のunbound dockingでは、従来のFTDockの手法と同程度の精度の複合体モデリングを約400倍の速度で実行することができている。
|
Research Products
(5 results)