2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17017017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
近藤 滋 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (10252503)
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Keywords | チューリング / ゼブラフィッシュ / 皮膚模様 / 反応拡散 / ネットワーク |
Research Abstract |
1)色素細胞種特異的に発現するシグナル伝達関連遺伝子の探索 色素細胞種特異的に発現するシグナル伝達関連遺伝子をgene chipを使って探索している。黄色色素細胞がないミュータントと野生型の黒色色素細胞を使って発現に差のある遺伝子を探したところ、kitRが見つかった。ミュータントでは、黄色色素細胞がないため、黄色色素細胞から黒色色素細胞に対するシグナルがなくなっており、その結果として黒色色素細胞の生存・分化のレベルが低下している。kitRは、色素細胞の前駆細胞である神経提細胞の分化因子であり、それが、アダルトの色素細胞でも働いている可能性を示唆した。今後このkitRがアダルトの個体でどのような役割を果たしているのかを解析していく。また、黄色マイナス黒色細胞のchipデータで候補に挙がった他の遺伝子においても、色素細胞特異的プロモータの制御下で発言させ、模様にどのような変化を与えるかを調べる実験を遂行しているところである。 2)模様形成の原理がどの程度普遍性を持つかを、ゼブラフィッシュ以外の魚を使って調べている。Turingの原理では、ストライプパターンを作る反応式のパラメータ値は、白い斑点パターンと黒い斑点パターンのちょうど中間に来る。これはどのような反応拡散の数式を使っても同じで、Turing patternに共通な性質ということができる。これが実際の魚でも成り立つかどうかを調べるため、サケ科の5種(白斑点2種、黒斑点3種)の交配実験の結果を養殖研より入手した。その結果、黒と白斑点を掛けた場合は全てストライプ様の模様になっており、Turingの原理がサケ科においても見事に成り立っていることを証明できた。さらに海産のふぐ類に関しても同様の解析を行っており、ほほ同じ結果を得ている。
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Research Products
(4 results)