2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17017026
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小笠原 直毅 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10110553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 浩禎 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90182203)
金谷 重彦 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90224584)
大島 拓 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (50346318)
石川 周 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (30359872)
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Keywords | 枯草菌 / 大腸菌 / 遺伝子発現制御 / タンパク質複合体 / タイリングチップ / 細胞システム |
Research Abstract |
平成18年度は、大腸菌・枯草菌について、遺伝子発現制御因子の遺伝学的・生化学的な手法による機能解明を継続すると共に、ChIP-on-chip法によるゲノム上での配置の動態についての解析を行うこと、タイリングチップを用いて、各種培養条件での転写動態のデータを系統的に収集すること、培地中のメタボライトの変動の解析を行うことを計画した。また、必須タンパク質を出発点として生体内複合体を解析し、各種細胞機能の協調に関与するタンパク質相互作用の同定を目指すこと、培地中のメタボライトの変動やタンパク質相互作用情報も統合した細胞システムのモデル化を行う手法を検討することも課題とした。 平成18年度の研究の主要な成果は以下のとおりである。 1)枯草菌・大腸菌のタイリングチップを用いて、DNA結合タンパク質の動態と転写活性を統合的に可視化する技術を開発し、大腸菌核様体タンパク質H-NSについて新たな機能を提唱した。また、枯草菌のRNAポリメラーゼの分布、転写開始因子SigAと伸長因子NusAの動態を明らかにした。 2)枯草菌について、タイリングチップを用いて、詳細な転写マップの動態の解析を進めた。 3)大腸菌の必須遺伝子セットを報告し、枯草菌との比較解析を行った。枯草菌については、機能未知の必須遺伝子の機能解明を進め、GTP結合タンパク質がリボゾーム形成に必須であることを明らかにした。また、リン脂質合成に関与する新規必須遺伝子を同定した。 4)細胞内複合体の解析を出発点に、枯草菌の細胞周期制御(ゲノム複製・分配、細胞分裂)に関与する遺伝子システムの機能解析を進め、新たな細胞分裂タンパク質を報告した。 5)大腸菌の一次代謝系のシステム理解に向けて、mRNA、タンパク質レベルでの発現量の経時的変化を解析した。 6)枯草菌、大腸菌のメタボロームの動態をFT-MSを用いて解析するための、実験方法・解析方法を開発し、データ収集を開始した。
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Research Products
(6 results)