2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17017026
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小笠原 直毅 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 教授 (10110553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 浩禎 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (90182203)
金谷 重彦 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90224584)
大島 拓 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (50346318)
石川 周 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (30359872)
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Keywords | 枯草菌 / 大腸菌 / 遺伝子発現制御 / タンパク質複合体 / タイリングチップ / 細胞システム |
Research Abstract |
大腸菌核様体タンパク質H-NSのホモログであるStpAが、H-NSと複合体を形成してゲノム上に分布していることを明らかにし、その機能の解明を進めた。核様体タンパク質と考えられているLrpについても解析を行い、実際にはアミノ酸代謝に関わる遺伝子の転写調節因子であることを明らかにした。枯草菌のRNAポリメラーゼ、転写伸長因子NusAの結合部位のマッピングを行い、RNAポリメラーゼの細胞内動態を明らかにした。転写伸長因子GreAについても解析を行い、正しい位置での転写の停止に寄与していることを、細胞内で明らかにした。転写調節因子については、複製開始因子DnaAのマッピングを行い、転写制御因子としてのDnaAの機能及びゲノム複製開始の制御機構に関して、新たなメカニズムを示唆する結果を得た。 代謝ネットワークのシミュレーションを目的として、大腸菌中心代謝系の37酵素について、Western解析及びqRT-PCR法による細胞内酵素量及び酵素遺伝子の発現量の取得を終え、さらに中間代謝産物の定量を進めた。また、アイソザイム、代替経路の同定を目的に、2重欠失株の系統的な解析の系を開発した。タンパク質の機能ネットワークに関しては、必須GTP結合タンパク質ファミリーに属するYlqFは50Sリボゾームサブユニットの形成に、YqeHは30Sリボゾームサブコニットの形成に関与することも明らかにした。また、ゲノム複製開始因子DnaAと相互作用するYabAについて、それが、DnaAと必須開始因子DnaDとの相互作用を、競合的に阻害することにより、複製開始を負に制御しているという機構を提唱した。 細胞システムのモデル化に向けて、蓄積した枯草菌アレイデータを用いて、各遺伝子の発現プロファイルの相関解析によりオペロン構造を推定し、さらに、転写因子欠失株での発現変動とプロモーター領域の配列解析を統合することにより、諸シグマおよび転写調節因子のレギュロンを推定する、情報処理技術の高度化を進めた。
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Research Products
(25 results)