2005 Fiscal Year Annual Research Report
線虫ゲノム機能解析情報に基づく発生メカニズムの解析
Project/Area Number |
17017038
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
杉本 亜砂子 独立行政法人理化学研究所, 発生ゲノミクス研究チーム, チームリーダー (80281715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浪 修一 慶應義塾大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (50348843)
木村 暁 慶應義塾大学, 大学院理工学研究科, 助手 (10365447)
京田 耕司 独立行政法人理化学研究所, 発生ゲノミクス研究チーム, 研究員 (30415145)
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Keywords | 線虫 / RNAi / 細胞分裂 / 表現型 / 画像処理 / 胚発生 |
Research Abstract |
本研究では線虫C.elegansの発生プロセスを制御する遺伝子ネットワークを明らかにするために以下の解析を行った。 1.833の胚性致死遺伝子について、微分干渉顕微鏡によるRNAi最終表現型の表現型プロファイリングを行った。次に、表現型プロファイルの類似性に基づいた遺伝子クラスタリングを行い、機能未知遺伝子の機能予測を行った。また、遺伝子の複数の発生時期・複数の組織における機能を明らかにするため、発生時期特異的RNAiを行い、必須遺伝子について孵化後発生期の表現型データを体系的に取得した。その結果、約6割の胚性致死遺伝子は複数の発生時期において機能していることが明らかになった。 2.さらに詳細な表現型情報を得るためのツールとして、特定の組織や細胞内器官を特異的に染色するモノクローナル抗体ライブラリーの整備を進め、新規モノクローナル抗体を約40種取得した。これらについて野生型胚発生期における時間的空間的染色パターンの画像データベースを作成した。 3.細胞分裂パターン測定装置を使った細胞分裂パターンの測定の精度とスループットを高めるために、4次元顕微鏡撮影の撮影条件の設定と、測定装置のアルゴリズムの改良を行った。また、初期胚の構造の変化に関与する遺伝子とその機能を解明するために、細胞分裂パターンデータを解析するアルゴリズムを開発した。これらのアルゴリズムを活用して野生型胚とRNAi胚の差を統計的に解析し、過去の大規模な表現型解析では検出されなかったRNAi胚の表現型の検出に成功した。 4.画像処理を使った雄性前核の微小振動の定量測定、および、GFP標識と画像処理を使った紡錘体の微小運動の定量測定により、雄性前核の移動から紡錘体の後極側への移動までの核の動きを支配する機構のモデルを構築し、計算機シミュレーションによるモデルの検証を行った。
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[Journal Article] Caenorhabditis elegans geminin homologue participates in cell cycle regulation and germ line development.2005
Author(s)
Yanagi, K., Mizuno, T., Tsuyama, T., Tada, S., Iida, Y., Sugimoto, A., Eki, T., Enomoto, T., Hanaoka, F.
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Journal Title
J Biol Chem 280
Pages: 19689-19694