2008 Fiscal Year Annual Research Report
線虫ゲノム機能解析情報に基づく発生メカニズムの解析
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17017038
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
杉本 亜砂子 The Institute of Physical and Chemical Research, 発生ゲノミクス研究チーム, チームリーダー (80281715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浪 修一 独立行政法人理化学研究所, 発生システムモデル化研究チーム, チームリーダー (50348843)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / 発生・分化 / モデル化 / 画像処理 / ライブイメージング |
Research Abstract |
1)線虫初期胚の多様な細胞内構造を可視化するための蛍光タンパク質融合遺伝子発現株の構築をすすめ、高時空間分解能で細胞骨格ダイナミクス(特に、紡錘体微小管および中心体動態)を解析するための技術開発を行った。(杉本) 2)線虫胚の特定の組織や細胞内器官を特異的に染色する35種のモノクローナル抗体ライブラリーを作製し、発生時期ごとの染色パターン画像データベースの公表および希望者への配布を開始した。(杉本) 3)上記モノクローナル抗体のうち、生殖顆粒を認識する11種に着目し染色パターン等のさらに詳細な解析を行った。うち2種については抗原がそれぞれPGL-1およびPGL-3タンパク質であることを同定した。さらに、PGL-1およびPGL-3タンパク質が哺乳動物細胞において生殖顆粒様の顆粒構造を形成することを見いだし、線虫の生殖顆粒形成カスケードの一端を明らかにした。(杉本) 4)表現型の相関を利用して形態形成過程を推定する手法を開発し、第III染色体の全ての胚発生必須遺伝子(全97遺伝子)についてのRNAi胚の定量的細胞分裂パターンデータを用いて、365指標、1656関係で構成される発生フローチャートを作製した。発生フローチャート中の各関係の成立のために働く遺伝子を推定する手法を開発し、8409遺伝子機能を推定した。(大浪) 5)多様な条件で撮影されたDIC顕微鏡動画像に対応する汎用的な細胞分裂パターン測定アルゴリズムを開発し、公共データベースに登録されている2DタイムラプスDIC顕微鏡画像を利用した包括的なRNAi胚の定量的細胞分裂パターン解析を開始した。(大浪) 6)GFP標識タンパク質を使って細胞境界を可視化した動画像から細胞境界を自動検出する画像処理アルゴリズムと検出を補助するGUIを開発し、ショウジョウバエ気管原基、線虫初期胚の解析に適用した。(大浪)
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