2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17017040
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
上田 泰己 独立行政法人理化学研究所, システムバイオロジー研究チーム, チームリーダー (20373277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 英樹 独立行政法人理化学研究所, システムバイオロジー研究チーム, 研究員 (70391878)
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Keywords | 細胞間同調 / 一細胞測定 / ゲノムワイド / ハイスループット測定 / システム生物学 |
Research Abstract |
近年、動的で複雑な生命現象をシステムとして理解することが求められている一方、体系的・効率的に解明していく手法・研究戦略は発展途上である。特に多細胞生物を多細胞生物たらしめている細胞間相互作用を担う遺伝子ネットワークを体系的・効率的に同定していく手法・研究戦略については世界的にみても未開拓の分野である。そこでまず我々は、哺乳類の概日時計における細胞間相互作用をモデル系とし、二色のルシフェラーゼを用いて、二つの異なる細胞集団の状態(概日振動)を同時にモニターするための基盤技術を確立した。具体的には、既に確立した不安定化ホタルルシフェラーゼ(dLuc)を用いてin vitroにおける哺乳類概日時計依存的遺伝子発現の振動を高い時間分解能でリアルタイムに測定する技術(Nature, Ueda et al.2002)に、青色光を発する不安定化ウミシイタケ ルシフェラーゼ(dRluc)を導入する事によって2色化した。2色それぞれに由来する発光は、2種類のバンドパスフィルターを用いることによって、明確に分離して解析する事が可能となった。この技術をこれまでに開発した4608または288サンプルの発光を同時に測定可能なリアルタイム発光観測装置に組み込むことによって、2色のダイナミクスのハイスループットな自動同時観測を可能にした。また、細胞間同調をさらに精緻に観察・測定するために、高感度冷却CCDカメラ付顕微鏡システムを導入し、一細胞レベルで発光の概日振動を自動リアルタイム観測することが可能な実験系を構築した(Nature Genetics, Sato et al.2006.)。これらの技術と、ゲノムワイドな遺伝子過剰発現(完全長cDNA)および遺伝子のノックダウン(RNAi)等、ゲノムスケールのリソース・情報・技術を用いることにより、包括的に相互作用因子(同調因子)の探索が可能となる。
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