2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17017042
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
夏目 徹 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 研究チーム長 (00357683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家村 俊一郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 研究員 (90356410)
中山 洋 理化学研究所, 和光研究所中央研究所・先端技術開発支援センター, 研究員 (80321793)
澁谷 浩司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30261324)
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Keywords | 質量分析 / ダイレクトナノLC / 古典的MAPキナーゼカスケ / Erkイフェクター / 安定同位体ラベル |
Research Abstract |
タンパク質は、相互作用の結果生じる複合体として機能する場合が殆どである。これは細胞内のシグナル伝達のパスウェイにおいても例外ではなく、多くのシグナリング分子は互いに相互作用し、複合体を形成しパスウェイを生み出す。またこれらの相互作用はシグナルの伝達に伴ってダイナミックに変化する可能性があり、これらの動態を捉える技術開発が生命システム解明に必須である。本研究課題では、パスウェイに関わる全cDNAに共通のタグを融合し培養細胞に遺伝子導入し、その発現タンパク質のタグを介して相互作用複合体を細胞より抽出し、そこに含まれているコンポーネントを一網打尽的に同定している。検証実験として、古典的MAPキナーゼカスケードに関係する25程度の遺伝子を用いた相互作用のマッピングを終了した。その結果、約90の相互作用と、それに関わる65のタンパク質を同定した。そのうち、85%ほどは既に報告された相互作用であり、残りの25%は予想されていたが、未報告のものであった。また、シグナルのカスケードは受容体から核内のイフェクターに至るまで、ほぼ網羅的に相互作用が検出された。 さらに、新規と思われる相互作用も数個検出され、その一つは、新規なErkイフェクターであることが予想された。このErkイフェクターの生物学的な意義に関する、個別の検証研究を開始し、リン酸化により相互作用の制御メカニズム解明と相互作用ドメインの同定などに着手した。それとともに、安定同位体ラベル用いた、シグナルの休止期と刺激時の相互作用の動態を相対定量する予備実験も遂行中である。
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