2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17017042
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
夏目 徹 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, バイオメディシナル情報研究センター, 研究チーム長 (00357683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家村 俊一郎 独立行政法人 産業技術総合研究所, バイオメディシナル情報研究センター, 主任研究員 (90356410)
中山 洋 独立行政法人 理化学研究所, 中央研究所, 研究員 (80321793)
澁谷 浩司 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30261324)
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Keywords | タンパク質間相互作 / タンパク質ネットワーク解析 / プロテミクス / 質量分析 / 動態解析 / マップキナーゼカスケー / シグナル伝達 / Erk |
Research Abstract |
細胞内のシグナル伝達のパスウェイは、多くのシグナリング分子は互いに相互作用し、複合体を形成しパスウェイを生み出す。このパスウェイを構成する相互作用を高次機能として捉えるには、統一的な方法論での網羅的相互作用解析を行う必要がある。そのために、質量分析を用いシグナル伝達分子複合体の相対・及び絶対定量を行うことを目指し、サンプルの質量分析計への導入とクロマトグラフィの再現性を飛躍的に高め、検出されたペプチドイオンの強度比から相対定量を行う方法をDQN法(Direct Quantitation of Non-labeled proteome)の開発を行っている。DQN法によるデータ再現性を評価するために、37の異なるbaitタンパク質を用い4回の繰り返し実験を行った(合計148解析)。これらのbaitは全て小胞体内のレドックスタンパク質であり、非常に多くのタンパク質と相互作用し酸化還元と基質タンパク質のフォールディングに関わっている。従って、baitと伴に同定されるPreyタンパク質の総数は791に及び、合計14,432のペプチドが検出された。この検出されたペプチド数を確率論に基づきダンダムにペプチドが出現するモデリングを行った。また、実際のペプチドが4回の繰り返し実験によって揺らぎなく出現した場合から、4回とも全て揺らぎがあった場合までを1〜4と数値化した。これらを用い実験結果から等分散と見なされる割合をランダムモデルと比較検定を行った。その結果、実験データ中の等分散と見なされるタンパク質とランダムモデルにおける等分散数の有意差はp<10^<-21>という驚異的な差が認められ、生物データとしては極めて高い再現性があると判定された。また開発したシステムを評価するため、神経細胞におけるカルシウムシグナルに関わる分子(CamK)のパスウェイ解析を行い、CaMKと相互作用する186個の新規な分子を発見し、そこから8つの新たなCaMK機能複合体を発見した。
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