2006 Fiscal Year Annual Research Report
カイコゲノムの物理地図と転写地図の整備ならびに機能解析システムの確立
Project/Area Number |
17018007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 透 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (20202111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝間 進 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (20378863)
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Keywords | SAGE解析 / 完全長cDNA / Fosmidライブラリー / 進化 / 鱗翅目昆虫 / エピジェネティクス / カイコとクワコ / 遺伝子トラップ |
Research Abstract |
1.完全長cDNAの解析:翅原基、BmN細胞、休眠卵、微生物感染脂肪体の各完全長cDNAライブラリーから、約900クローンの完全配列を決定した。 2.カイコ特異的な遺伝子の機能解析:スクラーゼ遺伝子BmSuc-1は動物界には相同遺伝子が無く、細菌のβ-フルクトフラノシダーゼ遺伝子に相同性を示す。BmSuc-1の組換えタンパク質を発現させ酵素活性を確認した。桑の葉にはDNJというαグルコシダーゼの阻害剤が多量に含まれている。BmSuc-1はDNJで阻害されないので、カイコの桑葉への適応に貢献していると想像される。 3.SAGEを用いた卵母細胞分化機構の解析:カイコ蛹期卵巣のシストサイトのステージ1〜3と2〜3の各段階より得たRNAを用いて3'SAGE解析を実施した。ステージ1〜3に共通して最も多量に含まれていたのは868ntの新規な非コードRNAであった。このncRNAの部分配列を用いてdsRNAを作り、蛹の体腔中に注射したところ、一部の卵胞で形態的な異常が観察された。 4.卵巣に存在する低分子RNAの構造と機能:蛹期の卵巣のRNAをポリアクリルアミドゲルで電気泳動すると、29nt程度のサイズの低分子RNAが多量に存在していた。これらRNAをcDNAコンカタマーとしてライブラリー化し、67700のRNA分子の塩基配列を解読した。 4.クワコfosmidの配列決定およびカイコとの比較:クワコから10xゲノムのfosmidライブラリーを作製し、76,608クローンの5'および3'末端の塩基配列を支援班に決定していただいた。クワコのfosmid末端配列153,216リードをクエリーにして,カイコのゲノムに対してblastnを実行した。一塩基置換のみを数えると,クワコ・カイコ間の差異は2.3%であった。今のところ,クワコゲノム特有の遺伝子は見つからない。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Isolation and characterization of sex chromosome rearrangements generating male muscle dystrophy and female abnormal oogenesis in the silkworm, Bombyx mori.2007
Author(s)
Tsuguru Fujii, Takeshi Yokoyama, Osamu Ninagi, Kowa Kakehashi, Yoshiaki Obara, Mitsuru Nenoi, Takahiro Ishikawa, Kazuei Mita, Toru Shimada, Hiroaki Abe
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Journal Title
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[Journal Article] The female-killing chromosome of the silkworm, Bombyx mori, was generated by translocation between the Z and W chromosomes.2006
Author(s)
Tsuguru Fujii, Nobuhiko Tanaka, Takeshi Yokoyama, Osamu Ninaki, Toshikazu Oshiki, Akio Ohnuma, Yataro Tazima, Yutaka Banno, Masahiro Ajimura, Kazuei Mita, Motoaki Seki, Fumi Ohbayashi, Toru Shimada, Hiroaki Abe
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Journal Title
Genetica 127(1-3)
Pages: 253-265
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