2007 Fiscal Year Annual Research Report
メダカゲノム情報にもとづく脊椎動物染色体再編の比較ゲノム解析
Project/Area Number |
17018016
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀 寛 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (60116663)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 啓志 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70181922)
佐々木 貴史 慶応大学, 医学部, 助教 (70306843)
金森 章 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40324389)
|
Keywords | メダカ / ゲノム / 染色体再編 / 比較ゲノム / BACライブラリー |
Research Abstract |
この研究課題では、先の特定研究(ゲノムC)で明らかにされたメダカWGS(whole genome shotgun sequencing)による全ゲノム概要配列の情報を有効利用し、それを基盤にして、魚類を中心にした脊椎動物染色体再編の比較ゲノム解析を行うこと、さらにメダカが脊椎動物のモデル動物の一つとして、マウス同様にヒトの遺伝病のモデルとなりうることを多くのメダカ突然変異体を解析することで証明することが目的である。 本年度においては、当初の計画どうり、メダカ染色体連鎖群22番についてその約20Mbを配列決定した。この成果は論文としてまとめられ、発表された。 またフグゲノムとメダカゲノムのゲノムサイズはフグが400Mb、メダカがその倍量の800Mbと大きく異なっている。今回メダカとフグの22番染色体の相同領域1MbをフグWGSの利用により同定した。この両者のゲノムサイズの相違が1Mbの比較から広範なindelの挿入欠損であることが判明し、その成果は論文としてまとめられ、発表された。 また魚類のゲノムは哺乳類ゲノムよりも倍数化がすすんでいることが明きあらかになった。特に形態形成制御の転写遺伝子群であるhox遺伝子クラスターについての分子進化研究が行われ、哺乳類のhox遺伝子群は4クラスターであるのに、メダカやフグなどの硬骨魚類は7クラスターとなっており、倍数化によるクラスター間の機能分化がおきていることが判明した。
|