2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17018032
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
斎藤 成也 National Institute of Genetics, 集団遺伝研究系, 教授 (30192587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
颯田 葉子 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (20222010)
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / ゲノム / 進化 / 人類学 |
Research Abstract |
斎藤グループ:バクテリアゲノム規模の塩基配列データを高速に多重整列システムMISHIMAを開発した(Kryukov & Saitou 2010)。ヒト・アカゲザル、マウス・ラットのゲノムのタンパク質コード領域を比較し、霊長類よりも齧歯類でより遺伝子変換による均一化が活発に生じていることがわかった(Ezawa et al..2010)。バクテリアゲノムの塩基配列データから2~10塩基長の塩基パターンの頻度にもとづく進化距離行列から系統樹を作成したところ、近縁なバクテリアでは系統樹が正しく復元される割合が高いことがわかった(Takahashi et al. 2009)。テナガザル3種23個体について、ABO式血液型遺伝子の部分配列の系統ネットワーク解析から、数百万年のあいだに少なくとも5回の遺伝子内組換えが生じていることがわかった(Kitano et al. 2009)。哺乳類6種のゲノム中のタンパク質コード遺伝子において、同義置換速度が極端に低いものを抽出し,それらの特性を調べたところ、明確な傾向が見られた。これは、コード領域の一部には塩基配列になんらかの機能が存在することを示唆する(Suzuki and Saitou,投稿中)。 颯田グループ:ゲノム上の重複やパリンドローム等の構造について、ヒトゲノムを網羅的に探索して、構造上に、遺伝子が多く分布していることを見いだした(論文投稿中)。X染色体上にありガン細胞や精巣の細胞で発現するMAGE遺伝子族のMAGEAサブファミリーはパリンドロームを構成しており、それらのアーム間では頻繁な遺伝子変換が起きているが、癌免疫のエピトープを多くコードしているMAGE-A3と-A6では配列間の多様性がたもたれており、遺伝子変換による配列化の均一化に対する負の自然選択が働いているらしい(論文投稿中)。
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