2006 Fiscal Year Annual Research Report
マウス亜種間コンソミック系統に基づくゲノム機能解析
Project/Area Number |
17018033
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (90171058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 剛 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教授 (20221955)
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Keywords | 遺伝学 / ゲノム / 行動学 / 進化 / 糖尿病 |
Research Abstract |
1.表現型の染色体マッピングとして以下の成果があった。 (1)形態学的特性と脂肪蓄積 生後10週齢の個体を対象にして、形態学的パラメータの収集を行い、多くのコンソミック系統で体重に関する有意な差異が存在することが確認された。さらに、皮下脂肪や内臓脂肪などの脂肪蓄積をはじめ体重に影響を及ぼす量的形質を支配する染色体が多数判明した。 (2)血液生化学的パラメータ 生後10週齢、25週齢の個体を対象にして、血液生化学成分のデータ収集を行った。特に、脂肪代謝に係わるサイトカインであるアディポネクチンやレプチン、さらに糖代謝に係わるインスリンなどのパラメータを重点的に解析した。いずれのパラメータについても、コンソミック系統間に顕著な系統間差異が認められた。 (3)行動学的パラメータ 自発活動性、不安行動、痛覚感受性について複数の行動テストを用いて解析した結果、いずれの行動テスト項目においても、コンソミック系統間で有意な差が見られた。同じ行動性質を扱うテストでも、複数のテストに共通な遺伝因子に加え、テストごとに独自の遺伝的要因も関与していることが明らかになった。 2.MSM/Ms系統のSNP情報の収集 MSM/Ms系統のゲノムDNAのwhole genome shotgun (WGS) sequencingを行い、約1000万リードを解読した。これらの配列がマウスゲノムのユニーク配列に対しておよそ75%をカバーしていることが判明している。さらに、C57BL/6系統のゲノム配列との比較によって、約973万個のSNPsを検出した。 3.表現型制御遺伝子のマッピング 形態学、代謝関連、さらに行動特性の内情動性関する表現型に顕著な差異を示す染色体を特定することができたので、これらの表現型を制御する遺伝子を明らかにするため、数種のコンソミック系統を用いて、体重、脂肪蓄積、情動性等について詳細な連鎖解析を行った。
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Research Products
(5 results)