2008 Fiscal Year Annual Research Report
小型魚類変異体に基づく脊椎動物遺伝子の網羅的機能比較解析
Project/Area Number |
17018034
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
川上 浩一 National Institute of Genetics, 個体遺伝研究系, 教授 (70195048)
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Keywords | 分子生物学 / 発生遺伝学 / ゼブラフィッシュ / トランスポゾン / 挿入変異 / エンハンサートラップ / 遺伝子トラップ / トランスジェニック動物 |
Research Abstract |
(1) To12トランスポゾン転移システムを用いて、ゼブラフイッシュにおいて遺伝子トラップ、エンハンサートラップスクリーニングを実施した。平成20年度は約200の改変型酵母転写因子Ga14FFを細胞・組織・器官特異的に発現するトランスジェニックフイッシュ系統の作製を行った。 (2) これらトランスジェニックフィッシュにおけるトランスポゾン挿入のサザンプロット解析、インバースPCRによる解析を行い100系統以上についてトランスポゾン挿入部位を決定した。 (3) 発現パターン情報・トランスポゾン挿入部位近傍ゲノム情報をzTrapデータベースにとりこんだ。これにより遺伝子・ゲノム機能解析、国内外の研究者とのトランスジェニック系統を用いた共同研究が促進された。 (4) ヒートショック遺伝子の下流に転移酵素遺伝子を組み込んだもつトランスジェニックフィッシュを作製した。この転移酵素遺伝子トランスジーンと単一のTo12挿入をもつ二重トランスジェニックフイッシュのオス成魚を37度のお湯につけると、To12が生殖細胞で効率よく転移することがわかった。この方法により、To12挿入を効率よく容易に作製できるようになった。 (5) ゼブラフイッシュ側線の求心性神経で特異的にGFPを発現するエンハンサートラップ系統を用いて、求心性神経が側線の神経小丘上の有毛細胞の極性を識別してシナプス結合をつくっていくことが明らかになった。 (6) 転写因子evx1は脊髄内の特異的な介在神経で発現している。我々は、BACトランスジェネシスによりevx1遺伝子近傍に存在する、脊椎動物において種を越えて保存されている介在神経発現のためのエンハンサーを初めて同定した。
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Research Products
(36 results)