Research Abstract |
本研究は,わが国におけるゲノム医学研究を推進するために,どの様なシステムが必要であるかを明らかにすることが目的である.本年度は主に2つのテーマについて,研究を進めた.まず,はヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針の改訂版に記載されたインフォームド・コンセント履行補助者をゲノムメディカルリサーチコーディネータ(GMRC)と名付け,脳動脈瘤など頻度の高い疾患の症例収集の有用性を検証し,極めて有用であることがわかった.また,実際に業務をしているコーディネーターの考え方をアンケート調査で調べたところ,資格化の希望が強いことが明らかになった.当初,関連する学会に呼びかけ,学会横断的な制度にする事をめざしたが,各学会の考え方とニーズが異なり,断念した.その為,関連する学会を絞り込み,制度設計を行った.現在,働いている人材を暫定制度で認定した後,平成20年度より講習会を開き,試験により認定していくこととした.また,支援体制を構築するにあたり,海外でのゲノム研究における支援体制の実情調査を,ウェッブアンケートを使って調査した.インパクトファクターが5.0以上の医学雑誌から対象を選択し,合計53の研究プロジェクトから回答を得て,現在,まとめている.インフォームド・コンセント業務を担当するのは,医師,看護師などの医療職以外に,多くの研究コーディネーターが参画していることが明らかになった.その他,研究支援体制に関してわが国の体制と比較検討している.
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