2007 Fiscal Year Annual Research Report
臨床データとゲノム情報の統合を基礎とした疾患のシステム的理解と医療への応用
Project/Area Number |
17019008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 良三 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 教授 (60207975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 一雄 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (50359600)
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Keywords | ゲノム / データベース / 生活習慣病 |
Research Abstract |
本研究計画の診療データベースの基盤となる臨床情報データベースを構築し、東大病院内科部門に入院した約3,000名の臨床所見についてデータベース化を行った。このデータベースを用いた臨床情報とゲノム情報の解析を行い、データベースシステムの問題点を検討した。特に、ゲノム解析に対応できる正確な臨床情報を蓄積・解析するためのシステム作りを進め、疾患名・薬剤名のマスターデータベースの作成、疾患名の登録基準の厳密な定義、標準入力項目を確実に集積するための入力インターフェイスの作成などを行った。このように疾患のシステム的理解を目的としたデータマイニングと、臨床的観点からの新規診断法の評価、日常診療へのデータベース情報の導入に耐える堅牢かつ柔軟なシステム構築を行った。実際に循環器内科および糖代謝内科の入院・外来診療からの運用を通して、システムの評価と改善をおこなっている。 500名の心筋梗塞患者および450名の対照群のゲノムDNAをもちいて約40種類の心血管作働物質遺伝子多型を候補として解析をおこなった。KLF5遺伝子プロモーター領域のSNPおよびアドレナリンβ2受容体遺伝子コーディング領域のSNPに関しては心筋梗塞発症との間に有意な相関を認めた。しかしながら他のSNPに関しては約200名の予備的検討により相関が疑われたものの、500名までスケールアップして検証すると再現性が得られなかった。当初予想していたよりも心筋梗塞のマーカーとなる遺伝子多型は少ないことがわかった。遺伝子変異解析の方向性を見直す必要がある。それをうけて平成20年度以降遺伝子解析方法に変更を加える。
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Research Products
(6 results)