2009 Fiscal Year Annual Research Report
臨床データとゲノム情報の統合を基礎とした疾患のシステム的理解と医療への応用
Project/Area Number |
17019008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 良三 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 教授 (60207975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 一雄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50359600)
森田 啓行 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60323573)
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Keywords | データベース / ゲノム / 生活習慣病 |
Research Abstract |
日本人の主要な疾患である心血管疾患と糖尿病を含む生活習慣病は、生活習慣などの環境因子と遺伝素因の各々が相互作用し、その結果システムとしての生命の営みに破綻を来たしている状態と捉えることができる。本研究の目的は、1)臨床用途に耐えるゲノム-臨床情報統合データベースシステムの構築と臨床での運用を推進する、2)データベースとゲノム情報の統合により生命システム破綻を引き起こす要因を抽出・同定し、さらに発症メカニズム解明のためにin vivoの遺伝子機能解析と遺伝子ネットワーク研究を中心とした基礎的研究を展開する、3)臨床情報データベースの導入と運用による循環器・糖尿病領域におけるテーラーメード医療の実用化を推進する、ことである。 臨床情報統合データベースシステムを日々更新改良する一方、データマネージャーを養成し、入力データの正確性確保につとめた。既に、4,000症例以上のデータの蓄積を行った。平成21年度は、心臓カテーテル検査データベースシステムと連動させ、データ入力の迅速化と正確化を図った。院内の情報を収集・解析するシステムとしては当初の目的を達成した。 ARID5Bは血管平滑筋の分化・脱分化、さらには脂肪細胞分化にもかかわる転写因子である。本遺伝子の4つのSNPsがハプロタイプを構成し冠動脈疾患発症と有意に相関するというデータを得た。さらに2型糖尿病とハプロタイプとの有意な相関、血中アディポネクチン濃度とSNPsとの有意な相関を確認できた。この分子機序に関して細胞・動物レベルでの解析を進めた。一方、2型糖尿病に関連する遺伝子多型としてAMPKαサブユニット遺伝子、HNF-4A遺伝子、TCF7L2遺伝子、HHEX遺伝子のSNP解析をおこない成果を公開している。
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