2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17019022
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
石垣 靖人 金沢医科大学, 総合医学研究所, 講師 (20232275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 司 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (60192340)
竹上 勉 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (10113490)
松井 忍 金沢医科大学, 総合医学研究所, 教授 (00064600)
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Keywords | DNAマイクロアレイ / NMD / RNAサーベイランス / 劣性遺伝疾患 / ナンセンス変異 |
Research Abstract |
ナンセンス変異の存在を前提として、DNAマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を利用した劣性遺伝疾患原因遺伝子探索の新しい方法論を構築すると共に、原因遺伝子が既知の患者由来細胞を用いて構築したシステムの有効性を検証することが本研究の目的である。劣性遺伝疾患ではナンセンス変異が一定の頻度で観察されるが、このタイプの変異をもつ遺伝子のmRNAはナンセンス変異異存mRNA分解機構(Nonsense-mediated mRNA decay、NMDと略される、別名RNA-サーベイランスとも呼ばれる)により正常なmRNAとは分別されて選択的に分解される。そのために、変異遺伝子の発現はmRNAレベルでほぼ消失しており、変異配列から予想されるトランケート型のタンパク質も生成せず、いわゆる"null"の状態にある。そこで、DNAマイクロアレイを利用した網羅的遺伝子発現解析系を利用して発現の消失した遺伝子を同定できれば、遺伝疾患や発がん等の原因遺伝子を速やかに決定できる。ただし、実際のDNAマイクロアレイの測定結果は多数の遺伝子発現を定量化できる一方で、測定自体のノイズおよび個体、実験間のばらつきが大きく単一発現欠損遺伝子の同定は困難である。このため、複数の手法を組み合わせて共通にNMDの標的となりうる遺伝子の候補を選別し、ノイズを軽減することによって再現性をもたせて実際的な候補数まで絞り込む必要がある。そのために、ナンセンス変異による遺伝子発現欠損と併せて、親子関係やNMDの阻害、NMD関連因子のノックダウンにより絞りこむことを試みた。その有用性を検討するために変異既知の患者由来細胞を利用して試験してみると、変異による欠損と阻害剤で発現が上昇する遺伝子の組み合わせが有効であることが明らかとなった。原因遺伝子未知の疾患への応用に向けて症例の収集も併せて行った。
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Research Products
(2 results)