2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム科学に対する一般市民、患者、研究者の意識に関する研究
Project/Area Number |
17019024
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山縣 然太朗 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10210337)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 香織 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (50345766)
玉腰 暁子 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (90236737)
|
Keywords | ゲノム / 全国調査 / リテラシー / 遺伝子 / ゲノム研究 / 意識 / 態度 / 科学リテラシー |
Research Abstract |
【目的】一般国民への大規模調査,広義の遺伝性疾患患者およびその家族への継続的かつ疾患横断的な研究,ゲノム科学研究者とゲノム医科学研究者に対する意識研究の3つを柱とし,未知の生物医学がもたらす人々の期待と不安を確認する。以上の研究により,ゲノム科学の推進および社会に応用される際の社会的基盤を整備するため,具体的な提言をすることを目的とする。 【方法】一般市民のゲノム研究に関する意識調査の詳細分析,研究者2000人に対する調査の実施と解析およびフォーカスグループインタビューを実施した。 【結果】ゲノム科学リテラシー得点が高いと,ゲノム研究に関心がある人が増え,ゲノム研究を推進する傾向にあった。特に,ゲノム基礎研究でその傾向が強かった。ゲノムリテラシーを向上させることにより研究のための血液影響者が増えることがシミュレーションされた。科学コミュニケーションについて市民はテレビや新聞などのマスメディアによる情報を得ているが,研究者は講演会,インターネットなどによる情報提供を行っていた。 【結論】リテラシーの高さと,研究に対する関心度合いや賛否の態度を決定できるかどうかには密接な関係があることがわかったが,それは学歴や遺伝学の教育歴とは必ずしも関係がなく,日ごろの情報取得にかかわりがありそうだということが明らかになった。市民がゲノム科学を理解するには研究成果が市民にわかりやすく情報提供されることが不可欠であるが,それを担うのはメディア(マスメディア,市民メディア)であるとともに,ゲノム科学研究者自身が市民とのコミュニケーションに手ごたえを感じられるような環境をよりいっそう醸成していく必要がある。
|
Research Products
(3 results)