Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 晃洋 信州大学, 医学部, 助教授 (70262706)
玉井 真理子 信州大学, 医学部, 助教授 (80283274)
丸山 栄二 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10030636)
小杉 眞司 京都大学, 医学研究科, 教授 (50252432)
沼部 博直 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00237801)
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Research Abstract |
ゲノム医学研究は新しい治療法の開発や診断法の開発を導き,多くの病気の苦痛を除去するのに役立つと期待されるが,ゲノム情報は生涯変化せず,血縁者にも影響を与える可能性があり,多因子疾患の場合には確率的で不確定な情報であるために,実際の医療に応用するためには,検討しておくべき事柄も多い.本研究ではこれらの問題の解決の一助となるべく下記の4つの課題について検討を進めた. 課題1)すでに行われている遺伝子診療の事例を基にゲノム情報を医療として個人の健康管理に役立てる際に生じうる課題を整理した. 課題2)多因子疾患についての疾患感受性(易罹患性)に関係する遺伝子多型情報について,C01・C02研究者と連携を取りながら,臨床的有用性についての総合的検討を行った.(1)陽性的中率などの診断精度を示すデータ,(2)遺伝子型別の適切な介入方法の存在,(3)その介入方法の実行可能性,(4)他の医療情報では得られない遺伝子型情報の有用性,の4点について根拠を示すことが重要であるとの結論に至った. 課題3)ゲノム科学研究の社会への影響についてのわが国における課題と取組み,および我が国の政策立案に有用と考えられるユネスコ,WHO, HUGO, CIOMSなどの国際機関による,指針,条約,宣言,および諸外国の法律,政策について調査し,検索しやすい資料集を作成した. 課題4)多様な価値観を許容しつつ冷静な討論を進め,社会的合意形成を図る方法を考案するために班員・研究協力者が意見交換を行う場としてのホームページを構築し,公開した(http://gc.pbh.med.kyoto-u.ac.jp/94cO5/).
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