2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム塩基配列の網羅的解析法による疾患遺伝子探索と新規分子生命現象の発掘
Project/Area Number |
17019027
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
蓑島 伸生 Hamamatsu University School of Medicine, 光量子医学研究センター, 教授 (90181966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 健太郎 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教 (80345826)
大坪 正史 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 助教 (10327653)
堀田 喜裕 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90173608)
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / ゲノム / 情報工学 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
1. 緑内障(GLC)の新規遺伝子探索と背景現象の解明 (1) 収集したGLC家系のうち患者数が比較的多い家系で連鎖解析を行ったところ、8p21.3付近のD8S258がLOD値2.50を示し、新たなGLC原因遺伝子の存在可能性を示唆した。 (2) 昨年度までに単離した既知原因遺伝子ミオシリン(MYOC)の相互作用蛋白のうち、細胞外で機能する3種類について培養細胞でMYOCと共発現し共免疫沈殿によって相互作用を確認できた。若年マウスの眼組織を用いたMYOCの免疫組織蛍光染色により、これまで報告されていなかった網膜色素上皮細胞において、MYOCの局在を確認した。 (3) 既に単離した既知原因遺伝子オプチニューリン(OPTN)の相互作用蛋白を次のカテゴリーに分類して、それぞれ性状解析を開始した : [a]機能不全で細胞死を誘導し得るもの ; [b]ゴルジ装置〜核移行に関与し得るもの ; [c]核移行後の機能に関与するもの。 (4) OPTNが網膜色素変性原因NRLタンパクと結合することをラット生体眼組織を用いて共免疫沈殿法により証明した。 2. 加齢黄斑変性(AMD)の関連遺伝子探索 ラット実験モデルを利用して、AMD関連遺伝子の同定を目指している。この実験モデルでは、白色ラットに比較的強い白色光を照射することで、AMDの症状に類似の網膜光障害が起きる。この障害の感受性がラットの系統により異なるため、それらを交配することで当該感受性遺伝子の遺伝学的追究を目指した。本年度は、まず水迷路を用いた行動学的手法による網膜光障害の評価法を確立した。それを利用して次の結果を得た : [a]光感受性と耐性の純系を交配したところ、F-1は雌雄に関わらず光感受性を示し、優性であることが判明した ; [b]感受性子孫と耐性純系との戻し交配を繰り返し、現在までに戻し交配(BC)世代1〜3を得た。
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