2008 Fiscal Year Annual Research Report
腸管出血性大腸菌を中心とした腸管感染菌の病原性ゲノム基盤の解明と臨床応用
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17019058
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| Research Institution | University of Miyazaki |
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Principal Investigator |
林 哲也 University of Miyazaki, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (10173014)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 義俊 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 助教 (40363585)
大岡 唯祐 宮崎大学, 医学部, 助教 (50363594)
戸邉 亨 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70207596)
桑原 知巳 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60263810)
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| Keywords | 病原性大腸菌 / 腸内常在菌 / 多様性 / 病原性 |
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| Research Abstract |
我が国などの先進諸国で最も問題となっている腸管感染症起因菌の1つであるO157およびnon-0157腸管出血性大腸菌(EHEC)を中心とした腸管病原菌のゲノム研究と腸管内常在細菌叢のゲノム解析に取り組んでおり、本年度の主な成果は以下の通りである。
(1)O157が保有する多数の欠陥プロファージの潜在的機能を系統的に解析し、様々なプロファージ間相互作用による活性化機構の存在と可動性遺伝因子としての機能を明らかにした。(2)O157病原遺伝子群の発現が短鎖脂肪酸によって制御されていることを見出した。(3)O26・O111・O103の全ゲノム解読が終了し、異なる系統に属する大腸菌が同一の病原型に進化する機構(パラレル進化)を明らかにした。(4)腸管病原性大腸菌(EPEC)の代表菌株であるE2348/69株の全ゲノム解読を行い、大腸菌のB2系統群に共通するゲノムの特徴およびEPECとEHECのIII型分泌機構(T3SS)の類似点と相違点を明らかにした。(5)腸内フローラの代表的菌種であるバクテロイデスにおいて、多様な表層抗原の相変異を引き起こすゲノムワイドな逆位システムに係わる組換え酵素を同定した。(6)その他、O157EDL933株のre-sequencing、O121EHECのゲノム解析、常在大腸菌株や血液由来大腸菌株のゲノム比較解析、種々のEPEC/EHEC株の保有するT3SS機構の菌株横断的比較解析、バクテロイデスとO157EHECの相互作用の解析、難培養腸内常在菌(SFB)のゲノム解析、アエロモナス属の比較ゲノム解析などが現在進行中である。O157EDL933株のre-sequencingは終了し、O157堺株との比較解析を行う段階に到達しており、O121EHECとSFBについてはドラフト配列の取得が終了し、フィニッシング作業を行っている。
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