2005 Fiscal Year Annual Research Report
枯草菌代謝制御ネットワークの物質産生系への有効活用
Project/Area Number |
17019064
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
藤田 泰太郎 福山大学, 生命工学部, 教授 (40115506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 孝明 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (80026559)
広岡 和丈 福山大学, 講師 (20389068)
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Keywords | 枯草菌 / 代謝制御 / ゲノム / マイクロアレイ / 応用微生物 / メタボローム / 代謝制御因子 / ネットワーク |
Research Abstract |
枯草菌ilv-leuオペロンの緊縮制御の解析により、アミノ酸飢餓によりRelAで合成されるppGppは直接RNAポリメラーゼに作用してプロモーター活性を調節するのではなく、IMP脱水素酵素を阻害する事により、生体内のGTP濃度を下げる。この事が、CodYによるのilv-leuオペロンの負の制御の解除を引き起こす。最近、GTP濃度の低下が、CodYを介した脱抑制だけではなく、プロモーターを直接活性化する事が次の事実から推論できた。また、ilv-leuオペロン転写の正の制御は、CcpAとP-Ser-HPrの複合体がRNAポリメラーゼと直接相互作用して作動する事を欠失解析により明らかにした。 枯草菌の代謝制御の基幹を構成すると思われるグローバルな転写因子による代謝制御ネットワークをメタボローム解析により代謝活性の指標となるシグナル物質の濃度を定量する事により実証できた。即ち、枯草菌をグルコースを炭素源とし、グルタミンを主とするアミノ酸を窒素源とする窒素過剰条件とグルタミン酸を窒素源とする窒素制限条件で増殖させ、菌体内のメタボローム解析を行った。炭素の供給状態のシグナル物質であるフルクトース-二リン酸量はどちらの増殖条件でも高水準でCcpAの活性化を引き起こすに充分であった。一方、窒素やアミノ酸の供給状態の指標となる、グルタミン、分岐鎖アミノ酸(特にイソロイシン)およびGTPの濃度は、窒素過剰条件で高く窒素制限状態では低く、前者ではCodYが作動し後者ではTnrAが作動するシグナル物質濃度であることが判明した。さらに、枯草菌の野生株とΔcodYあるいはΔtnrA株を用いたメタボローム解析の結果、ΔcodY株では分岐鎖アミノ酸合成に至る中間産物が上昇したが、ΔtnrA株ではロイシンとバリンの合成に至る中間産物の濃度は増加するが、イソロイシンの濃度は増加しなかった。ΔtnrA株ではスレオニン合成に至る中間産物の濃度が極端に低く、イソロイシンの蓄積に至らない事が判った。このように、メタボローム解析が物質産生の律速段階をピンポイントするのに有効である事がわかった。さらに、CodYとRelAは種々の有用物質産生系の調節に関与しているので、これらの制御因子の支配を受けるilv-leu以外の今後の研究対象とすべき有用な遺伝子とオペロンをDNAマイクロアレイ解析により抽出した。
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Research Products
(5 results)