2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病を中心とした神経系疾患の多型タイピング体制確立と応用
Project/Area Number |
17020004
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
桑野 良三 Niigata University, 脳研究所, 教授 (20111734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 哲典 新潟大学, 脳研究所, 助教 (60323995)
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Keywords | アルツハイマー病 / 認知症 / タイピング支援 / SNP / 相関解析 / ゲノムワイド / 原因遺伝子 / リスク遺伝子 |
Research Abstract |
支援活動は、1)連鎖解析法開発ためマイクロサテライトタイピングの依頼があり、1家系8人のタイピング支援を行った。2)常染色体優性遺伝形式をとる新規の成人発症良性遺伝性舞踏病(BHC2)の2家系のマイクロサテライトマーカーによるゲノム網羅的な連鎖解析の支援を行なった。3)その他、金沢大学、弘前大学、日本医科大学、鳥取大学、愛知医科大学、三重大学、青森県立保健大学、川崎医科大、東京都老人研、新潟大学脳研究所、阿賀野病院、大阪市立大学、福岡大学から、家族性アルツハイマー病、前頭側頭葉型認知症、及びそれらの類似疾患が疑われる症例について原因遺伝子のシークエンス依頼があった。それらの一部にAPP、PSEN1、MATPに変異を見つけ、依頼元に報告した。 個別研究では、1)性差を反映するリスク遺伝子探索を目的として、APOEε3*3遺伝子型の男女を層別化し、染色体10番長腕に1330SNPを設定して2段階スクリーニング法による相関解析をした。続いて全APOE遺伝子型を含むサンプルを対象としてSNP再タイピングを行った。年齢、性別、APOE遺伝子型、リスクSNPによるロジスティック回帰解析を行い、CTNNA3は高齢の日本人女性にとってリスクとなる遺伝子であることが判った。2)レヴィー小体型認知症と変異型アルツハイマー病を併発した症例で見つけたPSEN1の新規変異de1T440に対して、培養細胞を用いた機能解析を行なった。その結果、ΔT440変異はベータアミロイドタンパク42/40比のみならず、リン酸化α-シヌクレインの蓄積上昇を脳内で引き起こす可能性が示唆された。3)家族性アルツハイマー病と思える家系でAPPの新規ΔE693を見出した。保管中の5310例について検索した結果、新たにΔE693を3例見つけた。
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