2007 Fiscal Year Annual Research Report
大量DNAシーケンシングと生命システム比較解明への応用
Project/Area Number |
17020009
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
小原 雄治 National Institute of Genetics, 生物遺伝資源情報総合センター, 教授 (70135292)
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Keywords | 胚発生 / 母性遺伝子 / mRNA局在化 / UTR(非翻訳領域) / トランスクリプトーム / in situハイブリダイゼーション / 転写調節領域 / 多光子共焦点顕微鏡 |
Research Abstract |
1)NEXTDBの拡張:引き続きEST/ゲノムとwhole mount in situハイブリダイゼーションによる発現パターン解析(詳細なアノテーション付け)、発現パターンに基づくRNAi解析、などの結果をNEXTDB<http://nematode.lab.nig.ac.jp>で統合、公開を行い、これらをもとにして様々な共同研究を遂行した。Solexaシーケンサによる全トランスクリプトーム解析もおこなった。 2)母性mRNAの局在機構:母性遺伝子pos-1mRNAの第一卵割時の後極への局在化に必要なシス配列の解析のために、VENUS::pos-1配列融合遺伝子の形質転換体を作成し、VENUSプローブを用いたin situ hybridizationで融合mRNAの分布を調べた。pos-13'UTRが局在化に必要十分な活性を持つことを明らかにし、必須領域を近縁種間でも保存されている58塩基の配列にまで絞りこんだ。 3)新しいモチーフ探索アルゴリズムの開発:陽性を残しつつ探索する領域を狭めるアルゴリズム「filtering step」を開発し、ベンチマークテストではモチーフを想定以上の長い数Kb領域から見つけ出すことに成功した。さらにこのアルゴリズムは複数のモチーフを同時に検出できることが分かり、実験的検証を行った。 4)温度感受神経AFDでの発現制御調節配列の系統的解析:グアニリル環状化酵素gcy-8について、AFD特異的な発現を誘導するには50bpの調節配列で十分であることを示し、二つの転写調節遺伝ttx-1、ceh-14の両方が、gcy-8を含むAFD特異的な発現に重要な役割を持つことを強く示唆した。 5)線虫胚発生における細胞形状モデルの半自動生成システムの開発:細胞膜に局在するGFP融合遺伝子を発現する線虫株の画像データを多光子共焦点顕微鏡を用いて取得し、このシステムを適用して形状モデルを構築した。細胞間接触状況を体系的に明らかにし、細胞運命誘導との関係を探った。
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