2008 Fiscal Year Annual Research Report
大量DNAシーケンシングと生命システム比較解明への応用
Project/Area Number |
17020009
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
小原 雄治 National Institute of Genetics, 生物遺伝資源情報総合センター, 教授 (70135292)
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Keywords | 胚発生 / 母性遺伝子 / mRNA局在化 / UTR(非翻訳領域) / トランスクリプトーム / in situハイブリダイゼーション / 転写調節領域 / 多光子共焦点顕微鏡 |
Research Abstract |
1) 線虫C.elegansトランスクリプトームの徹底解析 : NEXTDB〈http://nematode.lab.nig.ac.jp〉の高度化を進めた。その拡張として、次世代型シーケンサSOLEXAによる全トランスクリプトーム解析をRNA試料(胚、幼虫、成虫期の雌雄同体と雄リッチな混合時期集団の4試料)で試みた。これらのデータはNEXTDBに統合化し、エキソン構造、発現レベル(リード数)、発生ステージ、雌雄同体と雄などについてのビューアを構築した。 2) 腸系譜の時期特異的なモチーフの予測と同定 : C.elegansの初期胚で、共通の発現パターンを示す複数の遺伝子群の上流配列比較から細胞・時期特異的制御を行なうモチーフの同定を目的として、複数のモチーフを同時に検出し、また複数の群に対しても適用できる「FEsystem」を開発してきた。本研究室のNEXTDBから原腸陥入初期・中期の腸細胞特異的に発現が開始される遺伝子群に、この開発したプログラムでモチーフを予測し、reporter assay等の検証実験を行なった。結果として、それぞれの時期から別のモチーフを同定することができた。 3) 初期胚における翻訳制御・局在化のメカニズム : 母性遺伝子pos-l mRNAは卵母細胞内には一様に分布するが、受精後第一卵割時に後極へ局在化する。このpos-1mRNA局在化機構を解析し、昨年度までに、局在化に必要な配列(シス因子)をpos-l3'UTRの58塩基の配列にまで絞りこむことができた。この配列は近縁種間でも保存されており、トランス因子を酵母tri-hybridやthree-hybrid法などにより探索中である。また、pos-lmRNAとは逆にAnterior側に局在するmex-3畝NAの局在シス因子を3-UTR内に見出した。 4) 近縁線虫Diploscapter coronatusの解析 : ゲノム配列についてサンガー法によるwhole genomeショットガンを3x程度に加え、次世代シーケンサSOLEXAリードを加えてハイブリッド法によるアッセンブルを試みた。ハイブリッド法の最適化の検討を進めている。また、フオスミドライブラリーの構築を進めた。
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Research Products
(7 results)