2008 Fiscal Year Annual Research Report
生理学的、神経心理学的及び計算論的アプローチによる行動発現機構の統合的研究
Project/Area Number |
17021004
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
丹治 順 Tamagawa University, 脳科学研究所, 教授 (10001885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 匡子 山形大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20271934)
銅谷 賢治 独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構, 大学院・大学先行研究プロジェクト・神経計算ユニット, 代表研究者 (80188846)
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Keywords | 神経生理学 / 神経心理学 / 計算論 / 統合的脳研究 / 脳高次機能 / 行動発現 / 研究提携 / 霊長類 |
Research Abstract |
まず最初に生理学、神経心理学、計算論それぞれのアプローチによる研究を実施して、行動発現機構の解明を推進する検討をした。この段階の研究活動は極めて1頂調に進捗し、多大な成果を得るとができた。次に、それぞれの研究目標と研究の方法論、ならびに研究内容について研究連絡を行い、討議を行なうことによってそれぞれの研究の相互理解をはかると共に、総合的視点に立った新たな研究の発想を醸成することを計画した。各研究チームが相互に研究室に出張して研究を体験し、'研究連絡を密に行うことにより、この段階も予定通りに進めた。次に3つの分野の研究者が連携を深め、共同研究を行なうために、具体的な研究の実現性ならびに有効性について、充分に検討を重ねた.その結果として、共同研究計画を策定することができた。 学際的共同実験においては、fMRIを用いたヒトを対象とする脳活動計測実験を行った.そこでは行動選択における行動ルールの発見という研究テーマで研究を進め、興味深い実験結果を得ることができた。引き続き、前頭前野に関する神経心理学的考察をもとにして生理学的研究を進め、サルの前頭前野における細胞活動が行動の概念形成に関与していることを実験的に明らかにした.次に、計算論と生理学的研究の提携による共同実験として、行動中の霊長類の前頭前野細胞の発火パターンを時系列的に解析した。細胞発火の同期性の機能的意義を解明する研究を行い、同期性が課題遂行のフェーズに特異的に変化することを見出した。 さらに、大脳内側の高次運動野である前補足運動野について研究を進めた。秒単位の時間情報の取り込み、時間情報の生成、そして時間経過後に動作発現を促す過程のそれぞれについて検討を加え、3つの過程を担う細胞活動を発見するに至った。その細胞活動の時間経過を定量化し、数式で表現することができた。
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