2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17021047
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
TAKAO Hensch The Institute of Physical and Chemical Research, 神経回路発達研究チーム, チームリーダー (60300878)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PIERO Carninci , ゲノム機能研究チーム, チームリーダー (10333296)
|
Keywords | 臨界期 / 視覚 / マイクロアレイ / GABA / 大脳発達 / パルブアルブミン |
Research Abstract |
哺乳類の中枢神経系は、生後の特定の時期に環境からの刺激によって、柔軟に再構築できる。本研究の目的として、この「臨界期」の発達段階に伴って特異的に発現する遺伝子群、16,000クラスターのマウス完全長cDNAをマイクロアレイに並べ、網羅的gene chip解析を目指した。視覚大脳皮質のモデルにおいて、各候補遺伝子の機能を、薬理学的手法、siRNA局所注入法あるいは遺伝子改変マウスを用いることで阻害し、その影響を測定した。特定の細胞種に働く形態形成分子を調べ、また可塑性に必要な抑制性介在細胞を確認し、脳機能発現の仕組みを分子生物学的および神経生理学的アプローチの統合的研究にて解明した。 本年度は、発達臨界期の「引き金」である、特定のGABA細胞、パルブアルブミン(PV)細胞におけるHsc70シャペロン蛋白と、その結合因子であるKv3.1チャネル機能を同定した。尚、Kv3.1遺伝子機能を阻害したPV細胞の高頻度発火の異常、また大脳視覚野における可塑性の低下と機能回復を電気生理学的に確認した。この結果、「臨界期」の謎の解明は、弱視だけでなく、PV細胞に関係する統合失調症や自閉症などの精神疾患の治療などにも新しい知見をもたらすことが期待できる。
|