2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17022013
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 邦嘉 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (10251216)
|
Keywords | 言語 / 脳機能 / 機能イメージング / 文法 / 文処理 / ブローカ野 |
Research Abstract |
最近の動物の行動実験で、正規文法(音素列のパターン例:ABAB)と句構造文法(音素列のパターン例:AABB)の対比が注目を集めている[Fitch&Hauser(2004)Science303,377-380;Gentner, et. al.(2006)Nature440,1204-1207]。しかしながら、より高次の文法とされる後者のパターンは、数を数えられれば統語構造を学習しなくとも他と区別できてしまうという致命的な問題がある。そこで我々は、日本語のジャバウォッキー文(最低限の文法要素と無意味語のみで構成された文)を用いて、文の統語構造および文法操作(Agree)に選択的な活動をfMRIによって調べた。埋め込み文(Embedded Sentence,ES)条件と単文(Simple Sentence,SS)条件を直接比較した結果、有意な活動が左半球の背側下前頭回(dIFG)と前下前頭回(aIFG)に認められた。また、ES条件と重文(Compound Sentence,CS)条件の直接比較では、有意な活動が左のdIFGに観察された。ES条件では2文が埋め込まれており、1文レヴェルの処理で足りるCSおよびSS条件とは統語構造が異なっていて、左のdIFGの選択的な活動を引き起こしたと考えられる。一方、ESおよびCS条件では2回の文法操作(Agree)が必要であり、1回の文法操作で足りるSS条件とは異なっていて、左のaIFGの選択的な活動に対応する。以上の結果は、人間の文法中枢が文の統語構造および文法操作に特化していることを示す直接的な証拠である。
|
Research Products
(20 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Selective impairment of syntactic processing in patients with brain tumor.2007
Author(s)
Kinno, R., Muragaki, Y., Hori, T., Maruyama, T., Kawamura, M. & Sakai, K. L.
Organizer
第30回日本神経科学大会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
20070910-12
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-