2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17022020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 武嗣 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (90177519)
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Keywords | 神経科学 / 解剖学 / シグナル伝達 / 細胞・組織 / 生理学 |
Research Abstract |
大脳皮質の局所回路を解析する手段として、「From one to group」の研究方針を立て以下の研究を行った。 (1) 「GAD67/GFP knock-in mouseを用いて、蛍光顕微鏡下に生きたまま観察できるGABA作動性ニューロンをホールセルクランプにより細胞内染色し、皮質脊髄投射ニューロングループへの入力を解析する」アダルト動物でのホールセルクランプ技術を用いて、逆行性標識法との組み合わせにより、皮質GABA作動性インターニューロンから皮質脊髄投射ニューロンへの入力を解析している。運動皮質5層のfast-spiking interneuronに2種類の区別があるのではないかと考え、そめ区別をしながら皮質脊髄投射ニューロンへの入力を比較しつつある。 (2) 「dendritic membrane-targeted GFP transgenic mouse」いままで開発して来た、ニューロンの樹上突起をGolgi染色様に標識できるtagged GFP([myristqylation/palmitoylation site of Fyh]-[GFP]-[LDL receptor C-terminus] ; myrGFP-LDLRct)と、parvalbumin pomotor BAC cloneとを用いて、BAC transgenic mouseを作成中したところ、parva lbumin産生皮質インターニューロンに非常に特異性の高いマウスを作成できた。その樹状突起は完全にGFPで標識され、軸索はほとんど標識されていない。同様に各層錐体ニューロンあるいは他のインターニューロンに特異的なプロモータ領域を用いて、BAC transgenjc mouseを作成しつつある。 (3) 「Pseudorabies virus等によるGolgi染色様逆行性標識」1)pesudorabies virus, 2)rabies virus glycoprotein (RVG)でpseudotypeにしたSindbis virus, 3) RVG-pseudotyped lentivirus等を試して来たが十分な成功は得られなかった。唯一、高塩濃度下にmyrGFP-LDLRCT adenovirusを注入する逆行性標識の試みで一定の成功を得ており、1個の錐体ニューロンから皮質視床投射ニューロンへの局所入力を解析している。また、tagged GFPの発現量を高めるためにTet-off systemの強力 promoterを組み込んだadenovirusも開発した。
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