2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17022033
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
北澤 茂 Juntendo University, 医学部, 教授 (00251231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 雅仁 , 医学部, 助教 (10423047)
高橋 俊光 , 医学部, 助教 (00250704)
陸 暁峰 , 医学部, 客員准教授 (20360703)
高島 一郎 産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, グループ長 (90357351)
西森 康則 産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 研究員 (00357724)
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Keywords | 小脳 / サッケード / 前頭眼野 / 補足眼野 / 到達運動 / BMI / マルチ電極 / プリズム順応 |
Research Abstract |
本研究は小脳が滑らかな運動指令の生成と学習にどのように貢献するのか、その機構解明を目的としている。 眼球運動制御に関する研究:昨年度までに記録したマルチ電極からの複数のニューロンの同時記録活動データから眼球運動の方向、振幅、開始時刻を推定するフィルターを完成し性能を評価した。さらにハードロジック設計とFPGAチップへのアルゴリズム実装に取り組みハードウェア化を実現した。 腕運動制御に関する研究:1)任意の方向に0-60mmの大きさの終点誤差を作り出すことができるプリズムを使ったシステムをヒト用に製作し、短期の学習系と長期の学習系が存在するという作業仮説を検証した。プリズムなしの60試行ののち、60mm視野を移動するプリズムを入れて200試行、-60mmで15試行、さらにプリズムなしの試行を50試行行った。運動終了直後に結果を300ms見せるブロックと、結果を見せないブロックを適宜組合せ、学習効果の減衰過程を記録した。Smithら(2006)が提案した速い・遅い学習系のモデルに加え、遅い学習系の学習速度が速い学習系の学習量に依存するという修正モデルを設定し、データに対する当てはまりを比較した。その結果、修正モデルを支持する結果が得られた。2)しかし、最終試行時に観察された残効は、24時間後に再テストしたところ消失していた。プリズムありで500試行行った場合は24時間後にも残効が観察されるので、遅い系よりもさらに遅い学習系が存在すると予想される。そこで、われわれは、プリズムありの試行数を50回、150回、500回行った後、視覚フィードバックなしの試行を50回行って残効の消失する時定数を比較した。その結果、50回、150回、500回の時定数は有意に異なった。これは速い系、遅い系に加えて「さらに遅い学習系」が存在することを示唆する。
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