2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17022037
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
坂上 雅道 Tamagawa University, 脳科学研究所, 教授 (10225782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋田 栄揮 玉川大学, 工学部, 教授 (60142006)
岡田 浩之 玉川大学, 工学部, 教授 (10349326)
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Keywords | 思考 / 推論 / 前頭前野 / サル / 単ーニューロン活動 / 言語獲得 / 乳幼児 / 認知発達 |
Research Abstract |
課題遂行中のサルの前頭前野外側部からニューロン活動の記録を行った。多くのニューロンが、非対称報酬条件ダブルサッケード課題において第一刺激呈示直後に、行動指標同様報酬予測に関連する活動を示した。その中には、特定の刺激と報酬量の関係をコードするものもあった。これらのニューロンについて、コードする刺激の特性を調べるために呈示する刺激の順序を変える実験を行った。ほとんどのニューロンは、刺激が同じグループに属するものであれば、同様の応答を示した。つまり、これらのニューロンは、特定のグループの報酬情報をコードしていることになる。以上の条件で、2頭のニホンザルから十分な数のニューロン活動の記録を行った。1頭のサルについては、新メンバーを使った推移的推論課題遂行時にニューロン活動の記録を行ったが、旧メンバーを使った場合と全く同様の結果を得ることができた。前頭前野外側部にカテゴリーをコードするニューロンが存在することが知られている(Tomita, et. al.1999:Freedman, et. al.2001)。我々の発見は、このようなカテゴリーをコードするニューロンが、そのカテゴリーの意味を同時にコードしていることを示したことである。このようなニューロンが存在することにより、動物は異なる状況で獲得した知識(連合)を、新奇な状況で柔軟に結びつけて使用することができることが、示唆されている。これらの成果は、北米神経科学学会(05・06年)、日本神経科学学会(05年)、日本基礎心理学会(05年)などで発表され、特に日本基礎心理学会では優秀発表賞を受賞した。また、この研究の一部は論文にまとめられ、Nature Neuroscience誌に掲載された(08年)。
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Research Products
(29 results)