2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17022040
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
小松 英彦 生理学研究所, 生体情報研究系, 教授 (00153669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷田 直一 生理学研究所, 生体情報研究系, 助手 (30373195)
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Keywords | 視覚 / 知覚 / 色覚 / 色恒常性 / 機能局在 / マカクザル / ニューロン活動 / 下側頭皮質 |
Research Abstract |
色選択性をもつ細胞が下側頭皮質においてどのように分布しているかを調べたところ、特定の場所に集中して存在することが明らかになってきた。この実験ではあらかじめMRIにより脳の構造画像を撮影して脳溝のステレオ座標が分かるようにした状態で手術を行うと共に、電極刺入時にX線撮影を行い、脳のどこに電極が刺さっているか確認しながら実験を行った。下側頭皮質の前部と後部からニューロン活動の記録を行い、色選択性と形選択性についてのマッピングを行った。その結果下側頭皮質前部の前中側頭溝(AMTS)付近の皮質領域と後部の後中側頭溝(PMTS)付近の皮質領域に色選択性をもつ細胞が高い割合でかたまって存在することが確認された。前者の領域はTE野内に存在し、色選択性のみを持ち形選択性を示さない細胞が固まって数mmにわたって存在し、その周辺に色と形の両方に選択性をもつ細胞が存在した。一方後者の領域は受容野の分布から求めた視野再現のパターンからTEO野に相当する領域であると考えられる。さらにこれらの領域の広がりや細胞の反応特性、および繊維連絡を調べ色情報についての機能構築を明らかにすることが下側頭皮質における物体色認知の仕組みを探求するにあたってまず重要であると考えられる。また画像作成装置を導入し、さまざまな照明や分光反射特性をもつ物体を模擬した視覚刺激の作成を行った。それらの刺激を用いて、色恒常性に関する予備的な心理物理実験を行ったところ、ハイライトの有無による色知覚への明確な影響は見出されなかった。また画像の平均的な色が色恒常性に関係することはよく知られており、これが下側頭皮質ニューロンの色選択性に影響を及ぼすかどうかを調べる予備実験を行った。その結果、背景の色によってニューロンの色選択性が系統的に変化することを見出した。この変化には再現性があった。
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Research Products
(6 results)