2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17022040
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
小松 英彦 生理学研究所, 生体情報研究系, 教授 (00153669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷田 直一 生理学研究所, 生体情報研究系, 助教 (30373195)
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Keywords | 視覚 / 知覚 / 色覚 / 質感 / 機能局在 / マカクザル / ニューロン活動 / 下側頭皮質 |
Research Abstract |
下側頭皮質後部(PIT)に色選択性をもつ細胞が集中して存在することが昨年までの研究で明らかになってきたため、平成17年度はその分布について更に詳細に調べた。PITとして調べた領域は上側頭溝(STS)より腹側の外側表面の皮質で、下後頭溝より前の領域である。この領域には後中側頭溝(PMTS)が存在するが、その背腹方向の位置は脳半球ごとに異なっている。注視課題を行っている2頭のサルでこの領域からニューロン活動を記録し、色選択性、形選択性、および受容野の広がりを調べた。その結果、鋭い色選択性をもつ細胞がPMTS付近に集中して存在することがわかった。この領域はおおざっぱな視野表現を持ち、一番背側の部位の細胞は視野中心に受容野をもち、腹側に向かうと受容野は視野の周辺部に移動し、前の方は下視野を後の方は上視野を表現していた。視野地図の存在する位置は鋭い色選択性細胞が分布する領域と重なっており、その位置はPMTSの位置の変動に従って半球毎に変動した。この結果はPITに、鋭い色選択性を持ちおおざっぱな視野表現をもつ独立した小領域が存在することを示唆しており、我々はPIT色領域(PITC)と名付けた。形選択性については、色と形の両方に選択性をもつ細胞と、形選択性を持たない細胞の両方が混じりあって存在していた。また本年度は視覚刺激に対するニューロン応答の分布を広い範囲にわたって一度に可視化するために、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)の無麻酔サルへの適用を可能にするため、さまざまな技術的改良を加えた。その結果、視野の垂直、水平経線の位置を明瞭に可視化することに成功し、これによってV1、V2、V3A、V4野の広がりをfMRIにより同定することが可能になった。
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Research Products
(7 results)