2006 Fiscal Year Annual Research Report
動機づけ行動における報酬,報酬期待関連脳部位間の機能的関係
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17022050
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
渡辺 正孝 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 参事研究員 (50092383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
彦坂 和雄 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (60129004)
児玉 亨 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (20195746)
本多 芳子 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (50142154)
桑波田 卓 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (70415537)
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Keywords | 報酬 / 動機づけ / 前頭連合野 / 線条体 / サル / ニューロン活動 / 内発的動機づけ / ドーパミン |
Research Abstract |
(1)報酬関連脳活動に関する文献研究については堅実に進めており、特に報酬関連脳活動と認知実行機能との関連について分析し、その一部はいくつかのレビュー誌に発表を行った。 (2)報酬が意思決定を左右する典型的事態であるセルフコントロール事態(速く反応すれば少ない報酬,遅く反応すれば多くの報酬がもらえる)をサルに訓練し,衝動性やセルフコントロールに関わりの深い前頭連合野の外側部と眼窩部からニューロン活動の記録を行った。現在、データ解析中である。 (3)ワーキングメモリー課題遂行中のサルにおいて報酬の繍を変化し,それによってどのような神経伝達物質(特にドーパミンとグルタミン酸)がどのような変化を示すのかを、マイクロダイアリシ法により前頭連合野と線条体において調べた。実験は終了し、現在データ解析中である。 (4)同じ状況でサルにおけるPET実験を行い,現在その結果の解析も行っている。 (5)行動を規定する要因としてホメオスタシス的な「報酬」とは異なるものとして,「競争事態における勝ち負け」という要因が脳ではどのように処理されるのかを解明するために,サルに競争の伴うビデオゲームを訓練した。予備的結果として、同じ報酬がもらえる場合でも、競争事態と非競争事態では、サル前頭眼窩野ニューロンは異なった応答を示すことが示された。 (6)探索や親和を求めるという「内発的動機づけ」の脳メカニズムについて探索的研究を行った。文献的にはサルが「複雑な刺激」や「仲間の行動」を見るためにオペラント反応をすることが示されている。しかし,様々な条件で内発的動機づけに基づく行動を誘発する試みを行ったが,こうした動機づけは外発的なものに比べて圧倒的に弱く,「外発的動機づけ」との比較の上での「内発的動機づけ」のニューロンメカニズムを調べるのは,行動の出現頻度,安定性などから極めて困難であることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Domain-related differentiation of working memory in the Japanese macaque (Macaca fuscata) frontal cortex : a positron emission tomography study.2007
Author(s)
Kojima, T., Onoe, H., Hikosaka, K, Tsutsui, K, Tsukada, H, Watanabe, M.
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Journal Title
European Journal of Neuroscience 25
Pages: 2523-2535
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[Journal Article] Influences of rewarding and aversive outcomes on activity in macaque lateral prefrontal cortex.2006
Author(s)
Kobayashi, S., Nomoto, K., Watanabe, M., Hikosaka, O., Schultz, W., Sakagami, M.
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Journal Title
Peer Reviewed