2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17023003
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲村 春和 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90079690)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾身 実 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (00400416)
|
Keywords | 視蓋極性 / Fgf8 / EhrinA2 / En2 / GFP / 網膜視蓋投射 / in ovo electroporation |
Research Abstract |
鳥類以下の脊椎動物の中脳視蓋は視覚の中枢として働き網膜からの位置特異的投射を受ける。正確な網膜視蓋投射の形成には網膜、視蓋それぞれに位置特異性が形成される必要がある。その位置特異性形成に峡部オーガナイザーがどのように関わっているかに焦点をあてて研究を行った。 まず、視神経線維をエレクトロポレーションによりGFP蛍光ラベル法を開発した。この新しい視神経ラベル法により、視神経の走行と視蓋の極性分子等との関係を直接見ることができるようになった。実際、これまでに報告されてない視神経の経路が見つかり、現在解析をすすめている。 峡部オーガナイザー分子であるFgf8とその下流Ras-ERK経路を遮断するDN-Rasの強制発現により、視蓋後ろのマーカーであるEphrinA2の発現にはFgf8-Ras-ERKシグナルが関わっていることが示された。これまで、En2が視蓋に後ろとしての性質を付与することが示されていたが、siRNAによりEn2の発現を抑制するとEphrinA2, EphrinA5の発現が抑えられることから、En2はこれら視蓋後ろマーカーの発現誘導に必須であることが示された。しかし、En2はFgf8-Ras-ERK経路の負の制御因子であるSprouty2を誘導し、細胞自律的にはむしろEphrinA2の発現を抑制すること、En2はFgf8を誘導し、それにより周りの細胞にEphrinA2の発現を誘導し、結果的にEn2が視蓋に後ろとしての性質を付与するように見えることが明らかになった。 本研究により、視蓋の誘導因子がさらに極性形成に関係すること、それらと網膜視蓋投射形成との関係が明らかになった。
|
Research Products
(5 results)