2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17023010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾藤 晴彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00291964)
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Keywords | CREB / 活動依存性 / シナプス / PSD-95 / アクチン |
Research Abstract |
研究代表者らは、これまで、長期可塑性の分子機構を解明する目的で、シグナル伝達モジュールとして、1)CaMK-CREB経路、2)神経アクチン細胞骨格再編成機構の2つに着目し、関与するシグナル伝達分子を同定し、次々と機能解析を行ってきた。 本研究では、CaMKファミリーによるCREB転写の全貌とその回路形成・再編成における生物学的意義を明らかにするとともに、神経アクチン細胞骨格再編成によるシナプス形成へのシグナル伝達機構を解明しようとするものである。本年度の研究により、以下のことが明らかとなった。 1)新たなCaMK類似キナーゼファミリーを形成するキナーゼ群を同定して、それがCREB転写を制御する経路を明らかにした。(Ohmae et al.,改訂中) 2)発生初期に大脳皮質に発現し、in vitroにおいてCREBリン酸化能を有するCaMKIアイソフォームであるCLICK-III/CaMKIgammaを遺伝子破壊した変異マウス作成に着手し、germline transmissionまで成功している。 3)アクチン線維によって束ねられている興奮性シナプス機能分子複合体の分子的実体を明らかにする過程で、PSD-95の3つのPDZモチーフがsynGAPの定量的かつ相加的な結合能を介して、PSDにおける分子集積とスパイン形態成熟の両者を制御していることを明らかにした(Nonaka et al., J.Neurosci.,2006)。 4)「分子脳」の星野幹雄班員と共同で、小脳形成に必須な転写因子PTFlaの性状を解析した(Hoshino et al., Neuron,2005)。
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