2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17023010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾藤 晴彦 東京大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (00291964)
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Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / シグナル伝達 / 蛋白質 / 生理学 |
Research Abstract |
本研究では、i)CaMKファミリーによるCREB転写制御機構を介したシナプス機能調節とともに、ii)神経アクチン細胞骨格再編成によるシナプスリモデリングに至る機構の解明を目指している. 本年度の研究により、以下のことが明らかとなった. 1)新たなCaMK類似キナーゼ3種を同定し、それがCREB転写を抑制的に制御する機構を明らかにした(Ohmae et al., J.Biol.Chem. 2006).本成果の一部は、「分子脳」の喜田聡班員との共同である.また、CaMKIV-CREB経路の意義を解析する過程で、東京医科歯科大学高柳広教授との共同にて、同経路が破骨細胞制御に寄与していることを発見した(Sato et al. Nature Med. 2006). 2)CaMKIアイソフォームであるCLICK-III/CaMKIgammaが発生初期に大脳皮質に発現し、大脳皮質初代培養系において、RNAiにより樹状突起形成・伸展の抑制が生じること、さらにこの表現型がRNAi-resistantな全長cDNAでrescueされるが、脂質修飾欠損変異体でrescueできないことを見出した.また、本キナーゼが活動依存的樹状突起伸展に寄与することをも見出した(Takemoto-Kimura et al.改訂中).本成果の一部は、「分子脳」の星野幹雄班員との共同である. 3)「神経回路機能」の岡部繁男班友との共同で、アクチン線維によって束ねられている興奮性シナプス機能分子複合体の行い、種々の分子スキャフォルドの動態を解析した(Kuriu et al. J.Neurosci., 2006). 4)「病態脳」の木下彩栄班員と共同で、N-cadherinのε-切断によるβ-catenin制御の機構を解析した(Uemura et al., Biochem.Biophys.Res.Commun, 2006).
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