2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17023028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 富士夫 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 教授 (20089882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 康人 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 准教授 (10311309)
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Keywords | 細胞移動 / 神経回路形成 / シナプス / 神経核 / 層形成 |
Research Abstract |
適切なシナプス結合の形成は、シナプス前要素である軸索の適切な部位への誘導と同時にそれを受けるべきシナプス後細胞の適切な部位への配置が協調的に実現することにより両者はシナプスを形成することができる。そのシナプス後細胞の適切な部位への配置、すなわち適切な層構造や神経核の形成球神経細胞の整然とした移動がおこることによって実現される。よって神経細胞がどのようにして適切な場所に移動するのかという問題の解明は脳の形態形成のみならず、脳の領域に特異的な性質を持った神経回路の構築を解明するのに不可欠な重要な問題である。そこで本研究では神経細胞の移動の基本原理の解明を行うとともに、その後おこる神経回路形成にどのように寄与をするのかを明らかにすることを目指している。本年度の成果は下記の通りである。 1)核形成のイメージング 昨年度までの研究で小脳前核細胞の移動と核形成の過程の動態の一部を明らかにしたが、本年度はそれを発展させ、発生後期(E15.5以降)のイメージングを進め、後期に神経核形成の過程においても法線方向への移動が重要な役割を果たすことを示唆する知見を得た。 2)移動・核形成とカルシウムシグナリング これまでの我々の研究で移動中の小脳前核細胞細胞にはカルモジュリン遺伝子が発現しており、移動と核形成にカルモジュリンが重要な役割を果たしていることが示唆されていたが、RNAi法を用いることでその機能的役割がさらに確かなものとなった。
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