2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17023028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 富士夫 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 教授 (20089882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 康人 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 准教授 (10311309)
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Keywords | 細胞移動 / 神経回路形成 / シナプス / 神経核 / 層形成 |
Research Abstract |
適切なシナプス結合の形成は、シナプス前要素である軸索の適切な部位への誘導と同時にそれを受けるべきシナプス後細胞の適切な部位への配置が協調的に実現することにより両者はシナプスを形成することができる。そのシナプス後細胞の適切な部位への配置、すなわち適切な層構造や神経核の形成は神経細胞の整然とした移動がおこることによって実現される。よって神経細胞がどのようにして適切な場所に移動するのかという問題の解明は脳の形態形成のみならず、脳の領域に特異的な性質を持った神経回路の構築を解明するのに不可欠な重要な問題である。そこで本研究では神経細胞の移動の基本原理の解明を行うとともに、その後おこる神経回路形成にどのように寄与をするのかを明らかにすることを目指している。本年度は整然とした層構造があることが知られている小脳皮質に着目し、その発生と分子機構の解明を目指して研究を行った。まず小脳を構成する神経細胞を可視化するため、胎生12.5日目のマウスの胎仔の脳室に蛍光蛋白質GFPの遺伝子を電気穿孔法で導入し、生後に脳を取り出して観察を行った。その結果、プルキンエ細胞とゴルジ細胞がGFPの蛍光によって観察された。次に発生期の小脳の脳室層に特異的に発現している免疫グロブリンスーパファミリーのNEPH3に着目し、shRNAを作製してGFPと同時に導入し、生後の小脳の観察をおこなったところ、プルキンエ細胞の位置、形態、数に変化が認められた。このことはNEPE3がプルキンエ細胞の発生に深く関与していることを示唆している。
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Research Products
(6 results)