2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成の動態を制御する新規細胞間シグナルの解析
Project/Area Number |
17024006
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桝 正幸 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20243032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝 和子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50344883)
塩見 健輔 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (00311598)
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Keywords | 脳・神経 / 発生・分化 / 糖鎖 / 脂質 / 神経科学 |
Research Abstract |
発生期に、神経細胞は、分化誘導、軸索ガイダンス、シナプス形成を制御するシグナルを受容し、機能的な回路網を作り上げる。本研究は、スルファターゼ遺伝子(SulfFR1とSulfFP2)とEnpp2遺伝子に注目し、糖鎖と脂質メディエーターを介した神経回路形成の動的な制御機構を解明することを目的としている。 SulfFP1、SulfFP2単独ノックアウトマウスでは大きな異常が認められなかったが、ダブルノックアウトマウスは生後直ぐに死亡し、特定の神経軸索走行に異常が認められた。この異常は、電気穿孔法でSulfFP cDNAを視床下部から中脳に導入することにより回復可能であったが、酵素活性部位に変異を持つcDNAでは回復が見られなかった。従って、SulfFPが作用して特定の硫酸化パターンを持つヘパラン硫酸を作り出すことが正常な神経回路形成に必要であると考えられた。更に、SulfFPによるヘパラン硫酸リモデリングにより影響を受け、皮質ニューロンの誘導に関わる軸索ガイダンス分子を同定した。 通常のEnpp2ノックアウトマウスは、卵黄嚢の血管形成不全により胎生8-9日頃に死亡する。この時期にオートタキシンを多量に発現する卵黄嚢臓側内胚葉細胞を調べたところ、細胞内小胞やリソソームに異常が見られた。更に、脳特異的オートタキシンノックアウトマウスを作成したところ、成獣まで成長し、神経系でオートタキシンの発現が消失していること、あるシグナル分子に過剰なリン酸化が起こることを見出した。
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Research Products
(13 results)