2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17024013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
多羽田 哲也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10183865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 純 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30345235)
吉田 章子 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (70372430)
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Keywords | ショウジョウバエ / 視覚中枢 / 神経幹細胞 / Notch / ラミナ / メダラ / 細胞自律性 / Delta |
Research Abstract |
ショウジョウバエの複眼は約750個の個眼からなり、1つの個眼は8個の光受容細胞を持つ。そのうち外側の6個(R1-6)はラミナ神経節へ、内側の2個(R7-8)はメダラ神経節へと投射する。両神経節はOPC(Outer Proliferating Center)とよばれる領域に由来し、ラミナ前駆細胞は水平方向に移動してラミナを形成し、メダラ前駆細胞は垂直方向に深部に移動してメダラを形成する。これらの幹細胞の分化の詳細は解っていない。分化しつつあるラミナ細胞に活性型Notchを発現させると、ラミナ前駆細胞の移譲増殖が観察される。また、OPCにおいてNotchシグナルを抑制すると、前駆細胞が神経へと分化することから一般に知られているNotchの神経形成における役割がこの系においてもみられる。ところがNotchの機能欠損変異では一般的な概念では説明できない表現型が観察される。Notch変異クローンをラミナ前駆細胞に作ると、クローンの外側の広い範囲において前駆細胞が神経に分化する非自律的な表現型がしばしば観察される。さらにこの表現型の浸透度は1割程度と低く、表現型を示さない大きなクローンも観察される。NotchのリガンドであるDeltaの発現を調べると、本来ラミナ細胞が分化し始める領域で高くなるDeltaの発現レベルがNotch変異クローンでは変化しないことが観察される。一方メダラにおいてはNotchクローンにおいてわずかなDeltaの上昇が観察されることがある。また、メダラ神経の分化マーカーであるElavの発現がNotchクローンでは自律的に遅れる様子も観察される。また、この系においてNotchと他のシグナル系の相互作用も明らかになりつつある。これらの断片的な知見から神経幹細胞の分化制御におけるNotchの役割を再検討し、脳における神経幹細胞分化メカニズムを明らかにしたい。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] DPP signaling controls development of the lamina glia required for retinal axon targeting in the visual system of Drosophila.2005
Author(s)
Yoshida, S., Soustelle, L., Giangrande, A., Umetsu, D., Murakami, S., Yasugi, T., Awasaki, T., Ito, K., Sato, M., Tabata, T.
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Journal Title
Development 132・20
Pages: 4587-4598